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ノート(118) 激動の1年を振り返り、締めくくりの日に思ったこと

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

~整理編(28)

勾留99日目

年末年始の宿題

 12月29日のこの日から年明けの1月3日まで拘置所も休日態勢に入り、落ち着いた雰囲気になるので、前日に弁護人が差し入れてくれていた大量の事件記録を集中して検討することにした。

 検察側から新たに開示された証拠のコピーであり、全部で117点、10分冊、ダンボール箱で3箱分くらいあった。

 ただ、そのほとんどが厚労省虚偽証明書事件に関する捜査・公判段階の決裁資料や冒頭陳述書、論告、弁論、判決書のほか、元担当課長、元係長、元部長ら厚労省職員、障害者団体会長、創設者ら関係者の供述調書、証人尋問調書だった。

 すでに内容を熟知していたものばかりだったため、夕方までにはひと通り読み終えることができた。

 検察側には厚労省事件を捜査していた当時の特捜部員らの供述調書をすべて開示するように求めていたが、実際に開示されたのは大坪さんと佐賀さんの弁解録取書だけだった。

 國井君らすでに開示されているものを除くと、郵便不正事件の捜査主任だった上田君を含め、彼ら特捜部員の供述調書は作成されていないのだと分かった。大坪さんらの弁解録取書の内容は次のようなものだった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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