ノート(75) 拘置所や刑務所の食事も民間業者に委託する流れへ

(ペイレスイメージズ/アフロ)

~達観編(25)

勾留27日目(続)

【アンケート調査】

 前回前々回の連載で触れた食事の内容については、毎月下旬に翌月分のメニュー表の回覧があるため、収容中の被告人らも事前に知ることができる。

 おおむね2週間のサイクルでほぼ同じ内容の繰り返しだが、ラジオ放送や購読可能な新聞の種類と同じく、年1回のペースでアンケート調査が実施されている。

 刑務所の場合には、本音が出やすい出所時にも同様のアンケートが行われる。

 内容は、ご飯の硬さやおかずの味付け、分量、好きなおかずや麺類、汁物、果物、菓子の種類、パン食の希望回数、元旦に支給されたおせち料理の内容や分量などを選択肢の中から選んだ上で、希望事項があれば自由に記載するというものだ。

 集計結果も、きちんと所内放送などで知らされる。

 ご飯が固いという人が多いので今後は水加減に注意していくとか、おかずの量が少ないとの声が多数あり、法令に基づいたカロリー量なのでこれ以上は増やせないものの、ボリューム感をアップする工夫をし、新メニューも取り入れるといったものだ。

 パン食の回数を増やしてほしいという数が多かったものの、現状で既に法令が認める最大回数である上、コスト高であり、予算の都合から不可能だといった話もあった。

 それでも、被収容者の嗜好や希望に沿った内容となるように工夫されており、見方によっては大変に贅沢な話といえるだろう。

【代用監獄の場合】

 ただ、これまでお話ししてきた食事の件は、収容施設の場所や時期によって大きく異なるので、注意を要する。

 例えば、法務省所管の拘置所や刑務所と、警察所管の留置施設、いわゆる“代用監獄”とでは、食事の内容などが全く違う。

 前者は収容されている人数が多いので、所内の炊場で全員分をまとめて作ることで、バラエティーに富んだ温かいメニューを提供することができる上、コストの削減も可能だ。

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前田恒彦

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

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