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ノート(51) 厚労省事件に対する検証が始まる 下手な取調べってどんなもの?

前田恒彦元特捜部主任検事
(ペイレスイメージズ/アフロ)

~達観編(1)

勾留20日目(続)

取調べ官交代

 「検事調べや。すぐに準備してくれるか」

 中村孝検事の取調べを終え、午後3時すぎに自殺防止房に戻ると、ほとんど間を置かず、すぐに刑務官が迎えにやってきた。

――中村検事の方で、何か言い忘れたことや聞き忘れたことでもあったのだろうか。

 2名の刑務官に挟まれて廊下を歩き、5舎3階から事務棟2階に移動し、「失礼します」と言っていつもの9号室に入った。驚いたことに、そこにいたのは中村検事ではなかった。この日の午前中に面会室で面会し、懲戒処分の告知を受けた最高検の三浦守検事だった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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