JASRACのBGM使用料の規模感について

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

「JASRACにBGM利用申請相次ぐ、訴訟影響か」というニュースがありました。

日本音楽著作権協会(JASRAC)が山梨、大阪、福岡各府県の飲食店経営者に損害賠償などを求める訴訟を起こしたところ、同様に著作権料を支払っていなかった全国の店舗からBGMの利用申請が多数寄せられたことが分かった。JASRAC担当者が明らかにした。

別記事によると、JASRACは、訴訟で計約62,000円の未払い使用料の支払いを求めているそうです。62,000円で民事訴訟やってもどう考えても元は取れないですが、まさにこのような広報効果を狙ってのことでしょう。

上記記事にもあるように、JASRACのBGM使用料は、面積500平方メートルまでの店舗(500平方メートルは約150坪ですからかなりの大型店舗です)なら年額6,000円、つまり、月あたり500円です。こんな少ない金額で争ってたのと思われる方もいるのではないでしょうか?もちろん、たいした金額ではないので黙って払えというつもりは毛頭ありませんが、JASRACが法外な料金を取ろうとしているという一般的印象はこのケースには当てはまりません。

話はちょっと変わりますが、「地元アーティスト作の音楽をBGMとして流せる"Audiostock store music"」という記事がありました。上記のJASRACのBGM訴訟話を枕にして、著作権フリー音楽販売サイトAudiostockが提供する、JASRAC管理曲を使わないBGM配信サービスを紹介しているのですが、このサービスの月額利用料金は2,000円でJASRACの使用料より高いです。配信サービス提供分が含まれているとは言っても、たとえば、JASRACと契約しているBGM配信サービスmonstar.chも月額1,880円でほぼ同額です。要は、ちゃんとクリエイター(作詞家・作曲家)に還元しようと思うとこの位の金はかかるということです。

また、自分で買ったCDなんだから店のBGMだろうが何に使おうと勝手という考え方の人もいるかもしれませんが、それは、自分で買った写真集に載ってた写真なんだからそれを使って店のチラシ作ろうが勝手というのと似ているという点は認識しておいた方がよいと思います。

日本IBM、ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事、『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 IT系コンサルティングに加えてスタートアップ企業や個人の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています。お仕事のお問い合わせは http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から。【お知らせ】Skype/Chatworkによる特許・商標の無料相談実施中です。詳しくは上記お問い合わせ先から。

有料ニュースの定期購読

栗原潔のIT特許分析レポートサンプル記事
月額880円(初月無料)
週1回程度
日米の情報通信技術関連の要注目特許を原則毎週1件ピックアップし、エンジニア、IT業界アナリストの経験を持つ弁理士が解説します。知財専門家だけでなく一般技術者の方にとってもわかりやすい解説を心がけます。特に、訴訟に関連した特許やGAFA等の米国ビッグプレイヤーによる特許を中心に取り上げていく予定です。

Facebookコメント

表示

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。