任天堂が対コロプラ特許侵害訴訟で使った特許番号が明らかになったので中身を解説します(後半)

出典:特許3637031号公報

後半です。(前半記事

特許5595991号「通信ゲームシステム」

出願日:2011年8月22日2005年7月27日(優先日:2005年5月6日)

【請求項1】

各々に識別情報が付与されており、他のゲーム装置とネットワーク通信を行う通信手段を備える複数のゲーム装置を含む通信ゲームシステムであって、

各ゲーム装置毎に他のゲーム装置の前記識別情報である相手識別情報をリストに登録する登録手段、

前記複数のゲーム装置のうちの第1ゲーム装置において相手識別情報が指定されたときに、当該相手識別情報に対応する第2ゲーム装置の前記リストに当該第1ゲーム装置の識別情報が登録されているか否かを判断する判断手段、および

前記判断手段によって前記リストに前記第1ゲーム装置の前記識別情報が登録されていると判断されたことを条件として、前記第1ゲーム装置が前記通信手段を用いて前記第2ゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可する許可手段を備える、通信ゲームシステム。

通信ゲームで相互に登録済のユーザーとしかゲームをしないという制限をかけるという特許です。比較的最近の出願であるにしては、めちゃくちゃ範囲が広いように思えます。追記:すみません、ツイッターで指摘受けましたが、分割出願の原出願の出願日は2005年7月27日(優先権まで考慮すると2005年5月6日)で、全然新しくありませんでした(あわてて書いたので見落としてました)。

特許3637031号「ゲーム装置およびゲームプログラム」

出願日:2002年4月3日

【請求項12】

ゲーム空間における少なくとも地形オブジェクトおよびプレイヤキャラクタを前記ゲーム空間に配置された仮想カメラに基づいて俯瞰的に表示するゲーム装置に、

プレイヤの操作に応答して、前記ゲーム空間における前記プレイヤキャラクタおよび前記仮想カメラの位置を決定する位置決定ステップ、

前記仮想カメラから前記地形オブジェクトまでの奥行情報をZバッファに書込みながら、前記地形オブジェクトを地形オブジェクト画像によってフレームバッファ内に描画する地形オブジェクト描画ステップ、

前記Zバッファの奥行情報を書換えず、前記プレイヤキャラクタを第1目印画像によって前記フレームバッファ内に描画する第1目印画像描画ステップ、および

前記Zバッファの奥行情報を参照し、かつ前記プレイヤキャラクタが前記地形オブジェクトよりも前記仮想カメラ側にあるときは前記Zバッファの奥行情報を書換えながら、前記プレイヤキャラクタをプレイヤキャラクタ画像によって前記フレームバッファ内に描画するプレイヤキャラクタ描画ステップを実行させる、ゲームプログラム。

図面にゲームキューブの絵(タイトル画像参照)が登場します。3DゲームのUIがいろいろと模索されていた頃かと思います。特許のポイントは、プレイヤーのキャラが物体の影に隠れた時の表示方法です。従来は仮想カメラが回り込んでキャラが表示されるようにする、あるいは、物体を半透明にしてキャラが透けるようにするというやり方だったのですが、いずれも操作性を損なうので、プレイヤーが影に隠れていることを示す目印を表示するというものです(下図における82、86、84、84Aは目印の例です)。

画像

前半分も合わせてさくっと見た限りでは、任天堂の特許ポートフォリオの「キラー」ぶりは半端ないという印象です。

追記:今回に限らない話ですが、Y!個人における私の特許解説記事は、「これはこういう特許である」という解説に留めさせていただいております。これは無効だとか侵害してないみたいな話を書いてしまうと後で実業に差し支える可能性もないわけではないので。