ZOZOTOWNの特許戦略について
「"ゾゾ"初の自社ブランド名は"ZOZO" 採寸のための“ZOZOSUIT”無料配布を発表」というニュースがありました。ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ社が自社ブランド「ZOZO」を開始すると共に、着るだけで採寸ができるボディスーツZOZOSUITを無料配布するというお話です。
スタートトゥデイ社代表取締役の前澤友作氏は以下のようにツイートされています。
このスーツはニュージーランドのストレッチセンサーの開発・製造企業であるStretchSense社との共同開発によるもので、ストレッチセンサーを内蔵したボディスーツからBluetooth経由でスマホに採寸情報を送ってくれます。あってもなくてもどうでもいいようなIoT事例が多い中、夢のある応用という気がします。私も早速注文してみました(無料ですが送料は必要です)。
いかにも特許化できそうな技術なので、スタートトゥデイ社名義の出願を調べてみましたが、該当するものはありませんでした。特許出願が公開されるのは出願日から1.5年経過後なので、仮に出願されていたとしてもまだ公開されていない可能性が大です。スタートトゥデイ社がStretchSense社に出資したというプレスリリースの日付が昨年の6月24日なので、仮に出願されていたとすればこの時期以降でしょう。
当然ですが、ストレッチセンサー自体の技術はStretchSense社が特許出願しています(少なくとも日本と米国ではまだ登録されていないようです)。
これを調べた過程でわかった注目すべき点は、スタートトゥデイ社はが日本で今までに6件の特許を出願しているということです(うち、1件は登録済です)。すべてインターネット販売・広告関係の発明です。
さらに注目すべきは、これらの特許出願の発明者がすべて前澤友作氏である点です(一部共同発明)。前澤氏というと、派手な私生活が話題になることが多いですし、何となく特許出願とは遠いイメージを抱いていましたが(失礼)、堅実に知財関係もやられているのだなあと思いました(まあ経営者としては当たり前なのですが)。そう考えるとZOZOSUITも出願されていないということはないのではと思います。