JASRAC、第二審でもファンキー末吉氏に勝訴

いらすとや

元爆風スランプのドラマ-、ファンキー末吉氏が経営するライブハウスの著作権使用料支払いに関するJASRACの裁判の一審判決でJASRACが勝訴したことは既に書きました

その裁判の知財高裁での第二審の判決文が公開されていました。要旨も公開されていることから、知財高裁としても社会的に影響が大きい裁判ととらえていたのではないかと思われます。

内容的には再びJASRAC側のほぼ全面勝訴です。賠償金額は、算出前提の変更により300万円弱から500万円弱に増額になってしまいました。裁判の内容は特に新しい論点や証拠があるわけでもなく一審とほぼ同じです。既に書いたように、1.演奏主体の問題(いわゆるカラオケ法理)、2.自分の作品の演奏は著作権侵害ではない、3.無過失、4.JASRACとの調停により許諾済、5.権利濫用等が論点になっており、裁判所の判断もほぼ同じで、末吉氏側の主張はほとんど認められていません。

要旨には、1のカラオケ法理の話が中心に書かれていることから、知財高裁としてはこれが最も重要な論点と考えていたのではないかと思います。

ライブハウスを商売として経営している以上、演奏行為の主体とされ、著作権使用料の支払い義務が生じることは、判例の積み重ねもあり、やむをえない結論と思います。そもそも、前も書きましたが演奏の主体はライブハウスではなく出演ミュージシャンであると主張すること自体が、訴えるなら店ではなくてミュージシャンを訴えろということなので訴訟戦術としては筋悪だと思います。

日本IBM、ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事、『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 IT系コンサルティングに加えてスタートアップ企業や個人の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています。お仕事のお問い合わせは http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から。【お知らせ】Skype/Chatworkによる特許・商標の無料相談実施中です。詳しくは上記お問い合わせ先から。

有料ニュースの定期購読

栗原潔のIT特許分析レポートサンプル記事
月額880円(初月無料)
週1回程度
日米の情報通信技術関連の要注目特許を原則毎週1件ピックアップし、エンジニア、IT業界アナリストの経験を持つ弁理士が解説します。知財専門家だけでなく一般技術者の方にとってもわかりやすい解説を心がけます。特に、訴訟に関連した特許やGAFA等の米国ビッグプレイヤーによる特許を中心に取り上げていく予定です。

Facebookコメント

表示

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。

  1. 1
    「続編の作り方」で分かれた、『ハケンの品格』と『BG~身辺警護人~』 碓井広義7/8(水) 7:07
  2. 2
    藤井聡太七段(17)史上最年少戴冠か? 渡辺明棋聖(36)カド番しのぐか? 7月9日、棋聖戦第3局松本博文7/8(水) 14:00
  3. 3
    梶浦宏孝六段(5組優勝)竜王戦本戦開幕戦で勝利 高野智史五段(6組優勝)は敗退で師弟戦実現ならず松本博文7/7(火) 18:25
  4. 4
    剛腕無双・西山朋佳女流三冠(25)7月9日、新人王戦ベスト4進出をかけ齊藤優希三段(23)と対戦松本博文7/8(水) 10:08
  5. 5
    今度の「透明人間」が「DV夫」になったワケ猿渡由紀7/8(水) 6:00
  6. 6
    いぶし銀の名棋士・桐山清澄九段(72)負ければ引退の一番を千日手指し直しの末にしのぎ通算995勝達成松本博文7/7(火) 16:47
  7. 7
    『人間失格』を書いた小説家・太宰治を井上ひさしが描く。こまつ座『人間合格』中本千晶7/8(水) 14:08
  8. 8
    藤井聡太七段(17)今期B級2組順位戦2連勝スタート 元A級の橋本崇載八段(37)に速攻から完勝松本博文7/6(月) 21:40
  9. 9
    緊急事態宣言下に染みるアイドルプロデューサーとしての指原莉乃のやさしさ斉藤貴志4/18(土) 9:30
  10. 10
    “AV界の演技派”川上奈々美が『東京の恋人』に主演。「神経質でも濡れ場から自分を解放できるように」斉藤貴志7/4(土) 10:00