ミュージシャン向谷実氏発明の「ホームドア」の特許公報について

「向谷実氏考案の"ホームドア"JR九州で実現へ」というニュースがありました。元カシオペアのキーボーディストでもあり鉄道マニアでもありトレインシュミレータ等の開発会社経営者でもある向谷氏の薄型ホームドアがリアルで鉄道会社に採用されたというニュースです。

新型ホームドアの実用化に向けたプロジェクトが、現在着々と進んでいる。設置を計画しているのは、福岡市の地下鉄と相互乗り入れを行うJR九州の筑肥線だ。鉄道信号のほかホームドアの分野でも大手である日本信号と組み、同線の「九大学研都市駅」で今2016年度内の実用化を目指している。

(略)

向谷さんがバー式ホームドアを考案したのは2015年の年明け。JR九州の青柳俊彦社長との雑談がきっかけだったという。「ホームドアを設置できればいいが、重量が重くてコストもかかる」という話の中で、何気なく両手の指と指を交差させながら話していた向谷さんがふと思いついたのが、板状の扉の代わりにバーを使ったホームドアのアイデアだった。

ということです。鉄道好き、かつ、鉄道関連企業の経営者としては何ともうれしいことではないでしょうか。

記事中に「特許も取得」と書いてあったので調べてみるとしっかり登録されていました。昨年の10月に登録された特許5828054号「プラットホーム用乗降通路開閉装置」です。

さて、ここで問題はこの特許の内容をどうやってご紹介するかです。わが国の公式特許データベースである特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)は公報データに直リンクが張れません。もちろん上記の特許番号を入力して検索すれば見られるのですが、インターネット上に既にある情報を紹介するのにリンクが張れないというのは何とも理不尽です。

公開公報であれば「かんたん特許検索」や「アスタミューゼ」のような民間の無料特許情報検索サイトに掲載されていれば直リンクを張れるのですが、この特許は早期審査により公開前に登録されているので公開公報が発行されておらず、それもできません。

しかし、実はこういう場合の裏技があります。EPO(欧州特許庁)が提供しているespacenetならば公報データに直リンを張ることができます(espacenetは欧州だけでなく全世界の特許文献が集約されています)。ただ、残念なことにイメージ形式のPDFになっているので文字としてコピペしたりはできません。また、おそらく掲載までちょっとタイムラグがあると思います。

日本の特許公報にリンクを張るだけのために欧州特許庁のシステムの助けが必要という状況は早くなんとかしてほしいですね。