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FRBは利上げペースを緩めるのか

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 7月26、27日に開催されたFOMCでは0.75%の利上げを決めた。前回の6月会合で約27年ぶりに0.75%の利上げを決めており、0.75%での連続の利上げとなる。

 これにより、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は2.25~2.50%となる。2018年12月まで3年かけて到達した前回利上げ時の到達点に並んだ。

 17日に発表されたこのFOMC議事要旨では「金融政策スタンスが一段と引き締められるのに伴い、政策金利の引き上げペースを減速させ、同時にそれまで実施してきた政策調整が経済活動とインフレに与えた効果を精査することがいずれ適切になる可能性が高い」と記されていた。

 米国労働省が8月10日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比8.5%上昇していた。この物価上昇の高止まりを背景に、FRBは積極的な利上げを継続させた。ただし、いずれこの利上げピッチを抑えることは当然ながら予想される。しかし、利上げペースを緩めるのはいつになり、利上げを止めるのはいつになるのかの予想は難しい。リセッション懸念だけがその要因となるわけでもない。

 18日にセントルイス連銀のブラード総裁が0.75ポイントの追加利上げを主張、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、まだ仕事が残っていると述べていた。これに対し、カンザスシティー連銀のジョージ総裁は急激な引き締めにはより慎重な姿勢を促した。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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