三菱UFJ銀行は手のひら静脈を使った本人確認を廃止へ
三菱UFJ銀行は、来春にも店舗の窓口や現金自動預け払い機(ATM)で、手のひら静脈を使った本人確認を廃止する方針を固めた。本人を認証する次世代の技術として2004年に導入したが、インターネットバンキングの普及で、利用者が減っているためだ(5月30日付読売新聞)。
手のひら静脈認証は、静脈のデータを登録した情報と照合して本人を確認する。安全かつ簡単な認証方式の1つとして注目されていた。暗証番号や指紋の認証に比べて精度が高い。
また、利用者を特定できるという利点もあることで、三菱UFJ銀行の場合、手のひら認証の利用者に対しては、預金の引き出し上限を通常の5倍にあたる1日1000万円にしてきたとか。
しかし、それほど利用が広がっていたわけではないようだ。三菱UFJ銀行では、手のひら認証の登録者は約26万人と、ピークの2007年に比べて三分の一程度に減少したとか。
銀行にとっては、静脈の登録や管理といった事務作業や、約6000台のATMに付属する専用装置の維持が負担になっていた(5月30日付読売新聞)。
手のひら静脈認証などの生体認証は便利であろうことは理解できるが、キャッシュカードを使ったほうが何故か安心できる面もある。
思ったほどに利用が進まなかった以上、負担を軽減させるためにも、手のひら静脈を使った本人確認の廃止はいたしかたないところであろう。