日本の外貨準備高が統計開始以降最大の減少、為替介入の原資が減少
財務省が11日発表した4月末時点の外貨準備高は3月末に比べて2.5%減の1兆3221億9300万ドル(約172兆円)だった。単月で約339億ドルの減少幅は2000年4月の統計開始以降で最も大きかった。3月に続き、単月として最大の減少を2カ月続けて更新した(11日付日本経済新聞)。
「外貨準備等の状況(令和4年4月末現在)」 https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/official_reserve_assets/data/0404.html
外貨準備とは、通貨当局が為替介入に使用する資金であるほか、通貨危機等により、他国に対して外貨建て債務の返済が困難になった場合等に使用する準備資産。財務省(外国為替資金特別会計)と日本銀行が外貨準備を保有している(日銀のサイトより)。
この場合の通貨当局による為替介入とは、外貨を売って円を買うことを想定したものとなる。つまり円安ドル高が急激に進行した際に、外貨準備で保有しているドルを売って円を買うことになる。
日本の外貨準備は主にドルと予想されている。そのドルの多くは証券に投資されている。証券つまり米国債が主体となり、その金額は約1兆ドルとなっている。
今回、日本の外貨準備高が急減したのは、米国を主体に欧米の国債が売られ、米国債など保有資産の時価評価が目減りしたことが要因となった。さらにユーロの対ドル相場が下がり、保有するユーロ建て資産のドル換算額も減少した格好に。
これによって円買い介入の原資がさらに少なくなったともいえるが、ドル売り介入そのものがあまり現実的でない上、介入の効果については特に流れと反対方向である場合には、あまり期待できるものではない。