2月の米国の消費者物価指数は前年同月比7.9%もの上昇に
米労働省が10日に発表した2月の米国の消費者物価指数は前年同月比の上昇率が7.9%となった。伸びは1月の7.5%より拡大し、1982年1月以来約40年ぶりの高さとなった。
変動の激しい食品とエネルギーを除いた前年同月比の伸びも2月は6.4%と、1月の6.0%から加速した。
ガソリンや食品、住宅関連のコスト増が影響した。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、インフレは今後さらに進むことが予想される。
バイデン米政権がロシア産原油の輸入禁止を公表し、WTI先物は一時129.44ドルを付けた。8日の全米自動車協会(AAA)が集計するガソリンの全米平均価格は約14年ぶりに最高値を記録した。
物価を長く押し上げる要因のもう一つが家賃の上昇とされている。いったん上がるとなかなか下がらない住居費は消費者物価全体の3割を占め、2月に4.7%上昇した(10日付日本経済新聞)。
これを受けて3月15、16日に開かれるFOMCでは0.25%の利上げが確実視されている。
10日のECB理事会では、量的緩和政策の縮小を加速する方針を決めた。6月までに段階的に購入量を減らし、早ければ7~9月に量的緩和政策を終了する。利上げに向けた地合いを整えつつある。
日銀は17、18日に金融政策決定会合を開催する。18日には2月の消費者物価指数の発表が予定されているが、10日に日銀が発表した2月の国内企業物価は前年比9.3%の上昇と歴史的な高騰となっている。
今後さらに価格転嫁も進むことが予想され、消費者物価指数も4月以降は2%台に乗せる可能性が出てきた。2%の物価目標そのものはさておき、今後の物価の上昇に備え、金融政策を正常に戻すことも検討する必要があろう。