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6月の海外投資家の米国債保有は前月から増加、トップは依然として日本、中国は減少

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 米財務省が8月16日に発表した6月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、海外投資家による米国債の保有高は7兆2022億ドルとなり、5月の7兆1354億ドルから増加した。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt

 3月18日に米10年債利回りは1.75%近辺まで上昇した。ここが目先のピークとなり、その後、1.7%近辺で推移後、米10年債利回りはダウントレンド入りした。5月は1.6%を挟んでの動きとなっていたが、6月は1.4%台に低下していた。

 あらためて国別の米国債保有残高を確認すると、日本の米国債保有額は1兆2773億ドルとなり、前月比111億ドルの増加となり、引き続きトップを維持した。

 2位の中国は1兆619億ドルとなり、前月比で165億ドルの減少となっていた。6月末の中国の外貨準備高は前月末より78億ドル少ない3兆2140億ドルだった。

 増加した国は日本のほか、アイルランドやルクセンブルク、ケイマン諸島などが目立った。これらは証券保管機関がある国である。投資家の買いが米10年債利回りの低下を招いた格好か。

 上位10か国の米国債保有額は下記の通り。

国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)

日本(Japan)、1277.3、+11.1

中国(China, Mainland)、 1061.9、-16.5

英国(United Kingdom) 、452.9、-14.8

アイルランド(Ireland) 、322.9 +18

ルクセンブルク(Luxembourg) 301.8 +14.2

スイス(Switzerland)、270.1、+5.2

ブラジル(Brazil)、249.0、-2.8

ケイマン諸島(Cayman Islands )、244.8、+15.8

台湾(Taiwan)、239.4、+3.1

ベルギー(Belgium)、228.5、-7.9

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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