財務省は、定期的に実施してきた「国の債務管理の在り方に関する懇談会」について、6月24日の協議を最後に廃止する方針だとロイターが伝えた。

 「国の債務管理の在り方に関する懇談会」、通称「在り方懇」とは、国際公共政策研究センターの田中直毅理事長を座長とし、吉野直行慶大名誉教授や野村資本市場研究所の冨田俊基氏、作家の幸田真音氏、日本総合研究所理事長の翁百合ら、専門家17人で構成されていた。

 財務省のサイトによると「在り方懇」は、中長期的な視点から、国債管理政策を中心とする国の債務管理について、高い識見を有する民間の方々等から御意見や御助言をいただくため、開催することとしたとある。

 2004年11月の初会合からこれまで53回にわたり開催されてきた。

 財務省幹部は、国債管理政策そのものは「諸外国と比べても遜色ない体制となった」との認識を示し、「ポストコロナを見据えて多角的な視点から議論していく必要がある」と新協議体に移行する狙いを語ったそうである(24日付ロイター)。

 「在り方懇談の次の会議体に関する枠組みは白紙」とされ、在り方懇そのものは、現メンバーでの懇談は最後とし、今後新たな議論の場を設けることで了承されたそうである。  確かに国債管理政策の体制は整ったことは確かである。そのひとつのきっかけは1998年末に起こった資金運用部ショックからであったと思われる。その後、国債引受シンジケート団の廃止など国債管理政策の体制は進められ、2004年からは「在り方懇」も開催された。

 その間も日本国債の発行残高は膨れ上がっているものの、日本国債への信認は強く、日銀の長期金利コントロールなども手伝い、長期金利は低位安定していることは確かであろう。

 とはいうものの、普通国債残高は2021年度末に990兆円程度と過去最大に膨らみ、名目国内総生産(GDP)に対する比率は177%に達する。新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響を受けての財政政策によって、国債発行額は昨年度が263兆円程度、今年度は236兆円程度もの規模となっている。新規国債の発行額も昨年度は113兆円程度、今年度は44兆円程度の規模である。

 日銀が大量の国債を買い入れていることもあり、国債の需給バランスにも一見、問題はないようにみえる。しかし、日銀による大量の国債買い入れそのものも財政ファイナンスへの懸念が残るものとなる。

 今後もこのまま国債市場がおとなしくしているのかどうかという疑問は残ろう。今後できる新たな議論の場では、しっかりとこのあたりについても議論してほしいと思う。