4月の東京都区部コアCPIは前年同月比1.6%の上昇に、東京都の高校の授業料実質無償化による影響
総務省が発表した4月の東京都区部の消費者物価指数は変動の大きい生鮮食品を除く総合(コア)が前年同月比で1.6%の上昇となった。伸び率は3月の2.4%から縮小し、市場予想の中央値の2.2%上昇を大きく下回った。
事前予想からこれほど乖離することは珍しい。
生鮮食品とエネルギーを除く総合(コアコア)は1.8%上昇と、前月の2.9%上昇からやはり縮小し、市場予想の2.7%上昇からこちらも大きく乖離していた。
今回、伸び率が前月から大きく縮小したのは東京都が24年度より高校の授業料助成の所得制限を撤廃し実質無償化したことが主要因とされる。これが全国となるとかなり希薄化されるため、植田総裁は会見で全国消費者物価指数への影響は限定的であろうと述べていた。
総務省によると都の実質無償化による効果がなければ生鮮食品を除く総合はおよそ2.1%上昇となっていた。
授業料等の寄与度がマイナス0.46となっており、このうち高等学校授業料(私立)がマイナス0.40となっていた。
ただし、これに加え食品価格の高騰が一巡して生鮮食品を除く食料の伸びが縮小したことも影響した。
財とサービス別のサービス価格をみると3月の前年同月比プラス2.0%から同プラス0.8%と大きく縮小していた。こちらも高校の授業料助成の所得制限を撤廃し実質無償化したことによる影響が出ていた。