3月末の日本国債の保有者
日銀は6月25日に資金循環統計(2021年1~3月期速報値)を発表した。これによると個人の金融資産は3月末時点で約1946兆円となった。また、民間企業の金融資産も約1247兆円となっていた。
個人の金融資産の内訳は、現金・預金が前年比で5.5%増の約1056兆円。株式などは32.1%増の195兆円、投資信託は33.9%増の84兆円と前年比の数字が異様に高いものとなっていた。これは昨年3月にコロナ禍における株価の急落があり、その後の株価は回復していたことで、前年比でこのように30%を超すような大きな数字となってしまったともいえる。
この資金循環統計を基に国債(短期債除く)の保有者別の内訳を算出してみた。
残高トップの日銀の国債保有残高は505兆2235億円、48.4%のシェアとなった。前期比(速報値)からは9478億円の増加となった。残高2位の保険・年金基金は248兆2471億円(23.8%)、1兆8427億円減。残高3位は預金取扱機関(都銀や地銀など)で130兆7270億円(12.5%)、1兆45億円増。残高4位が海外投資家で71兆6576億円(6.9%)、3兆3809億円減。残高5位が公的年金の36兆4588億円(3.5%)、1676億円増。残高6位が家計の13兆2557億円(1.3%)、1583億円減。その他が38兆7297億円(3.7%)、4兆4901億円増となっていた。
2020年12月末に比べ国債(短期債除く)の残高は1兆2281億円増の1044兆2994億円となった。(こちらの国債残高は時価ベース)。
12月末に比べて海外と保険・年金が残高を減少させた。日銀、預金取扱機関、公的年金その他などは残高を増加させた。
短期債を含めた国債全体の数字でみると3月末の残高は約1218兆円。このうち日銀が約542兆円で44.5%のシェアに。海外勢の残高は約160兆円と短期債を含めると国債全体の13.2%のシェアとなっていた。