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気温変化大きく 宮城県は“過去最も遅い夏日”から“冬日”に移ろう3連休に

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
きょう日中とあさって朝の気温分布(提供:ウェザーマップ)

きょう宮城県でも過去最も遅い夏日に

きょう午前9時の実況天気図(提供:ウェザーマップ)
きょう午前9時の実況天気図(提供:ウェザーマップ)
きょう午前9時の実況天気図と上空約1500mの暖気(提供:ウェザーマップ)
きょう午前9時の実況天気図と上空約1500mの暖気(提供:ウェザーマップ)

全国的に季節外れの暖かさが続いています。

きのう19日(木)からきょう20日(金)にかけては北海道付近を進む低気圧に向かって、南から非常に暖かい空気が流れ込みました。

これによって、きのうは全国の観測地点の約1/4にあたる約250地点で最高気温25℃以上の夏日になりました。季節外れの暖かさ、というより暑さだったかもしれません。

そしてきょうは宮城県内でも、県南は一時晴れ間が広がったことで気温が急上昇。丸森は最高気温25.3℃と夏日になりました。

そもそも11月に宮城県で夏日が出ること自体極めて珍しいことで、過去にあったのは2009年11月1日に丸森・名取・亘理で観測されたのみです。今回はその時の記録を抜いて過去最も遅い夏日になりました。

きょうの宮城県の最高気温一覧(提供:ウェザーマップ)
きょうの宮城県の最高気温一覧(提供:ウェザーマップ)

ただあす以降は一気に晩秋らしい空気に入れ替わります。

暖かさを吹き飛ばす冷たい西風

あす21日(土)朝の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
あす21日(土)朝の予想天気図(提供:ウェザーマップ)

あす21日(土)はきょう雨を降らせた前線が抜けていくため次第に晴れ間が出てきますが、そもそもこの「前線」という言葉は戦争の用語です。「両軍がぶつかり合う最前列」という意味で、天気の世界においては暖かい空気と冷たい空気がぶつかり合っている最前列が「前線」です。

あす朝の上空約1500mの暖気と寒気の予想(提供:ウェザーマップ)
あす朝の上空約1500mの暖気と寒気の予想(提供:ウェザーマップ)

前線が抜けるあすは、きょうまで暖かい空気軍が陣取っていた所に、冷たい空気軍が西風とともに一気に押し寄せてきます。あす日中はほとんど気温が上がらなくなり、予想最高気温は12℃前後ときょうより10℃以上低くなる所もある見込みです。

さらにあす夜からあさって22日(日)の朝にかけては放射冷却が強まるため、より効率的に気温が下がります。あさって22日(日)の朝は、内陸部で気温が0℃を下回って冬日になる所もある見込みです。

すなわち同じ宮城県内で、わずか3日の間に夏日と冬日が両方出ることになります。

きょう日中とあさって朝の気温分布(提供:ウェザーマップ)
きょう日中とあさって朝の気温分布(提供:ウェザーマップ)

その後、連休最終日の23日(月)にはもう一段階強い寒気もやってくる見込みで、今週の季節外れの暖かさから一転してこの時季本来の空気の冷たさに戻ることでしょう。

あすから3連休という方も多いかと思いますが、気温の変化が非常に大きくなりますので体調管理にご注意ください。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

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