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NY原油24日:中国リスクの織り込み続き、大幅続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比2.21ドル安

始値 40.30ドル

高値 40.47ドル

安値 37.75ドル

終値 40.45ドル

世界同時株安傾向が進む中、大幅続落となった。

アジアタイムから戻り売り優勢の展開となり、40ドルの節目を完全に割り込んでいる。その後も特に値頃買いといった動きはみられず、終日下値切り下げを打診する展開になった。中国経済の下振れ懸念が、更に世界経済見通しにも影響を及ぼすリスクが警戒される中、国際原油需給の緩みを解消するのは困難との悲観ムードが一段と強くなっている。既に国際原油需給の緩和状態が長期化するのは決定的と見られているが、中国リスクが需給緩和の程度と期間を更に深刻化させるリスクが警戒されている。

週末にイラン石油相が改めて増産意欲を示す一方、米国ではシェールオイルの増産ペースが加速するリスクが高まっており、供給サイドからも一段と需給緩和圧力が強まり易い状況にある。唯一のポジティブ材料はドル安だが、需給緩和に伴う下押し圧力を相殺するには至っていない。

中国リスクを考慮に入れなくても、国際原油需給の緩みは決定的であり、こうした中で需要が下振れするような事態になると、国際原油需給の緩みは更に決定的になる。なお価格低下で需給リバランスを促す必要性が解消されていないことを考慮すれば、戻り売り対応が基本となろう。一段安のためには期先限月を押し下げる必要性が高いものの、本格的な反発局面を想定することは難しい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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