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藤井七段、朝日杯V3にあと2勝――朝日杯将棋オープン戦準決勝、決勝展望

古作登大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
史上2人目の朝日杯3連覇に期待がかかる藤井聡太七段(筆者撮影)

 第13回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)は2月11日東京都千代田区「朝日ホール」で準決勝と決勝が行われる。ベスト4に勝ち進んでいるのは永瀬拓矢二冠(27)、阿久津主税八段(37)、千田翔太七段(25)、藤井聡太七段(17)。

 藤井七段は本棋戦で第11回、12回を連覇しており、あと2勝で史上2人目(もう1人は第7回~9回優勝・羽生善治九段)となる3連覇を達成する。また阿久津八段は第2回優勝の実績を持っている。

永瀬二冠と藤井七段が有力

 準決勝の対戦カードは永瀬二冠(叡王・王座)-阿久津八段戦、千田七段-藤井七段戦。それぞれの対戦成績は以下のとおり。

<永瀬二冠の対戦成績と最近10局>*未放映のTV対局を除く(以下同)

対阿久津八段 6勝0敗

対千田七段 6勝0敗

対藤井七段 0勝0敗

最近10局 9勝1敗

<阿久津八段の対戦成績と最近10局>

対永瀬二冠 0勝6敗

対千田七段 0勝3敗

対藤井七段 0勝1敗

最近10局 5勝5敗

<千田七段の対戦成績と最近10局>

対永瀬二冠 0勝6敗

対阿久津八段 3勝0敗

対藤井七段 0勝2敗

最近10局 7勝3敗

<藤井七段の対戦成績と最近10局>

対永瀬二冠 0勝0敗

対阿久津八段 1勝0敗

対千田七段 2勝0敗

最近10局 10勝0敗

 データを見る限り永瀬二冠と藤井七段の成績が突出しており、この2人の決勝になる可能性は高そうだ。

 永瀬二冠は藤井七段が14歳で四段昇段した直後に企画された、若手からトップ棋士まで対戦相手となった特別対局「炎の七番勝負」(AbemaTV将棋チャンネル・非公式戦)でただ一人勝利を収めている。ただしその後の藤井七段の活躍はご存じのとおりで、両者の実力差はほぼないと見ていい。

 また、この二人は現在定期的に1対1の研究会を行っているそうで、公式戦初対局とはいえ互いの手の内は知り尽くしているといえるだろう。

戦型は相居飛車、最新流行形中心か

 今回のベスト4進出者は居飛車をメーンに戦っている棋士がそろった。朝日杯は1回戦から決勝まで持ち時間40分と短いため、あえて奇策を用いる可能性は低く、どの対局も矢倉や角換わり、相掛かりといった相居飛車中心の流行形が選ばれそうだ。

 優勝の確率は過去のデータを基に永瀬二冠と藤井七段が35%ずつで互角、千田七段20%、阿久津八段10%と予想しておく。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員

1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

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