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出塁率ほぼ6割。近藤は日本記録更新も狙える

小中翔太スポーツライター/算数好きの野球少年

打率.420。

日本ハム・近藤は2位のソフトバンク・内川に7分もの大差をつけて、パリーグ首位打者に立っている。

しかし、打率以上に驚くべきは.577という非常に高い出塁率。40試合に出場し、出塁無しに終わったのはわずか2試合。1出塁だったのも6試合だけ。32試合で複数出塁をマークしており、全打席出塁が6試合もある。ここまで50安打を放ち、四死球はそれとほぼ同じ47個。21日のオリックス戦は4打席4四球だった。最近5試合の打率は.333だがその間に10四球を選び、出塁率は.636。5回打席に立ち3回出塁した”だけ”では成績が下がるという高数値だ。

出塁率の日本記録は1986年に当時ロッテに所属していた落合博満の.487。2位と4位も落合博満で、この頃は1984年から1991年まで8年連続でリーグトップの四球を記録していた。現在の近藤の出塁率は日本記録より1割近くも高く、残り101試合を今のペースで四球を選ぶと158.6四球。シーズン最多四球記録は1974年の王貞治の158個だから並ぶか上回る計算だ(ただし当時は130試合制)。

また、ヒットメーカーぶりを発揮し、二塁打12本はパリーグトップ。本塁打は3本ながら長打率もリーグ2位の.597と高水準。出塁率+長打率で計算され、打者の総合的な攻撃力を表すOPSは1.174でこちらも12球団トップ。

これまでの打撃成績を得点換算すると約43点、つまり近藤1は人で1試合に1点以上を生み出していることになる。DeNA・筒香、ヤクルト・山田、ソフトバンク・柳田らが万全のパフォーマンスを発揮出来ていない今、間違いなくNPB最強打者だ。

4月終了時の成績は打率.416、OPS1.142。これ以上ない好スタートを切ったように見えたが、今月は打率.429、OPS1.228とさらに加速中。例年パリーグが強さを見せる交流戦、その期間中の首位打者も過去12人中10人がパリーグの選手が獲得している。今の調子を保ったまま交流戦を迎えれば、最有力候補は近藤だ。交流戦における最高出塁率は2015年のソフトバンク・柳田の.544。これも十分に射程圏内。どこまで成績を伸ばすのか。

スポーツライター/算数好きの野球少年

1988年1月19日大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当し、スポーツナビや高校野球ドットコムにも寄稿する。セイバーメトリクスに興味津々。

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