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アップルCEOが「Appleカー」を示唆、グーグルは巨額賠償を回避

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース2本をダイジェストで

[1]アップルCEO、「Appleカー」を示唆

米アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)が自動運転車の開発計画をほのめかしたと、米CNBCが4月5日に報じた。ポッドキャストのインタビュー番組で語ったという。

「一歩離れて見れば、自動車はさまざまな点でロボットの要素がある。そして自律走行車はロボットだ。自律技術を使ってできることはたくさんある。我々はアップルが何をするのか検討している」と述べた。

同氏は「社内で多くのことを研究している。多くは日の目を見ないが、1つも日の目を見ないとは言わない」とも語った。

アップルが自動車そのものを開発しているのか、それとも自動車に使われる技術を開発しているのか、という問いにクック氏は答えなかった。

だが「我々は製品を取り巻く重要技術を自社で持ちたいと考えている」とし、「ハードウエアやソフトウエア、サービスを統合したいと考えており、それらの交点を探っている。そこに不思議な力が宿ると信じているからだ」とも語った。

[2]グーグルが巨額賠償を回避、OS著作権訴訟でオラクルに勝訴 

写真:ロイター/アフロ

米ソフトウエア大手オラクルが、米グーグルに著作権を侵害されたとして起こした訴訟で米連邦最高裁判所は4月5日、オラクルの主張を退ける判決を下した。ロイター米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが同日に報じた。

オラクルは2010年に、グーグルが承諾なくオラクルが権利を持つプログラミング言語「Java(ジャバ)」のコードをスマートフォン向けOS「アンドロイド」に組み込んだとして提訴した。18年に連邦高裁がグーグルの著作権侵害を認める判決を下し、グーグルが上訴していた。

最高裁判事は6対2でグーグルの主張を支持し、「アンドロイドへのコード使用は、著作権を侵害しない『フェアユース(公正な利用)』の要件を満たしていない」とした高裁の判決を覆した。

ブライヤー最高裁判事は多数派の意見として、「オラクルのコードに著作権を認めれば、将来の新しいプログラムの可能性を限定し、公共の利益を損なう」述べた。

関係者によると、オラクルは最大300億ドル(約3兆3100億円)の損害賠償を求めていた。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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