世界スマホ市場は2020年にようやく回復へ、頼みの綱の「5G」はどう推移する?

(写真:ロイター/アフロ)

 米調査会社のIDCによると、スマートフォン市場は今年の今の時期から来年にかけて回復の兆しが見えてくるという。

2020年は1.6%増に

 今年下半期の出荷台数は前年同期比で0.4%減と、ほぼ横ばいで推移する見通し。年間では前年比2.2%減となり、世界出荷台数は3年連続の前年割れを記録すると同社はみている(図1)。

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 だが、2020年は同1.6%増となり、ようやくプラスに転じると同社は予測している。

 現在の市場は米中貿易摩擦の影響で先行きが不透明な状態。メーカーは、製品計画が通常時よりも難しい状況に直面している。また消費者の買い替えサイクルは依然として長期化が続いている。

 しかし今後、メーカーは(1)積極的な販売促進を展開し、(2)流通在庫を減らすために特売することが予想されるという。その後は(3)次世代技術搭載機の宣伝を大規模に展開していく。これらの努力によって市場は回復に向かうとIDCはみている。

5G、しばらく導入期が続く

 とりわけ(3)の次世代技術については、高速大容量の5G(第5世代)移動通信が一筋の望みだという。しかし、5Gの商用サービスは一部の国と地域で始まったばかりで、まだ導入期の初めという段階。

 5G対応端末の全スマートフォン出荷台数に占める比率は2020年時点で8.9%(1億2350万台)。これが2023年に28.1%になると、IDCは予測している。

 別の調査会社である米ガートナーも、市場回復の頼みの綱は5Gだと指摘している。ただ、IDC同様に、対応端末が普及期を迎えるのは2023年だという。

 ガートナーは2020年までに、世界の通信事業者の7%が5Gの商用サービスを始めると予測している。また、2020年における5G対応端末の全携帯電話販売台数に占める比率は6%。つまり、この時点でもまだ導入期という段階。

 その後、通信サービスエリアが拡大し、端末の機能が向上するとともに、価格が下がっていく。こうした段階を経て、ようやく成長期に入るという。5G端末の販売台数比率が5割を超えるのは2023年とみている。

スマホの世界出荷台数、2019年は13.7億台

 IDCが予測する今年のスマートフォン世界出荷台数は13億7110万台。今後年平均1.1%の伸び率で推移し、2023年には14億8450万台になるという。

 今年のOS別の出荷台数比率は「Android」が87%、「iOS」が13%。2023年になってもこの比率に大きな変化はないと予測している。

  • (このコラムは「JBpress」2019年9月11日号に掲載された記事をもとに、その後の最新情報を加えて再編集したものです)