韓国の左派系与党・共に民主党は10日、来年3月の大統領選に向け、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事を公認候補に選出した。

李在明氏は日本に対する強硬な発言で知られる。例えば韓国紙・中央日報(日本語版)が7月23日に掲載したインタビューでは、次のように語っている。

「(日本が強硬なのは)日本軍国主義勢力の侵略意志のためだ。日本が独島をなぜ繰り返し問題にするのか。いつか大陸に進出する時、トリップワイヤーにするためではないだろうか。私はそれで日本の大陸進出の夢が武力的方式で噴出する場合に対応すべきだという考えを持っている。軍事的に北も重要な相手だが、日本に対しても警戒心を緩めてはいけないと考える」

この発言に論評を加えることは敢えてしないが、李在明氏が野党候補に勝利して次期大統領となった場合の日韓関係を、憂える事情通は数多い。

一方、李在明氏が大統領選で勝利すれば、対北朝鮮政策では文在寅政権の融和路線が維持されることになるだろう。

京畿道の城南(ソンナム)市長を経て道知事となった李在明氏は、京畿道一帯に地盤を有している。これは一般論だが、北朝鮮との軍事境界線がある京畿道には、南北融和から利益を得る人々が少なくない。実際、金正恩総書記と文在寅大統領の南北首脳会談が行われた2018年には、道内の坡州(パジュ)市の地価が3割も上昇した。

ただ、李在明氏の今後は波乱含みだ。

与党の予備選では当初、圧勝の勢いだったものの、城南市長時代に推進した同市大庄洞(テジャンドン)の宅地開発を巡る疑惑が浮上し、過半数ギリギリの得票で辛くも勝利した。しかも、疑惑は拡大を続けている。官民合同事業に参加して巨利を得た企業のオーナーは李在明氏の知人だ。また市側で事業を担当した李在明氏の側近とされる人物は背任と収賄容疑で10月上旬に身柄を拘束された。

これを受けて、与党の予備選で対抗馬だった李洛淵(イ・ナギョン)元首相の選対幹部である薛勲(ソル・フン)共に民主党議員は、「(李在明氏が)拘束(逮捕)される可能性が相当高まっているのは客観的な事実」と発言。李在明陣営から反発を受けながらも、「疑惑の当事者たちに会って聞いた話だ」との主張を続けた。

もっとも、与党は今後、政権維持を目指して結束していくだろう。権力が野党に渡ったら身辺が危うくなりそうなのは、文在寅大統領も同様だからだ。

(参考記事:「大統領の弾劾・逮捕も視野」文在寅が最も恐れる致命的な事件

大庄洞の疑惑に対する捜査がどのように進展し、それが大統領選にどのような影響を及ぼすのか、しばらく目が離せない。