北朝鮮「女性虐待」収容所で死者続出…新型コロナか

金正恩氏(平壌写真共同取材団)

北朝鮮当局は新型コロナウイルス感染症の拡散を防ぐために、全国の教化所(刑務所)の面会を禁止している。そんな中、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)にある全巨里(チョンゴリ)教化所で受刑者11人が突然、呼吸困難を訴えて死亡したことが分かった。

咸鏡北道の情報筋は韓国デイリーNKの取材に対し、「今月初めから全巨里教化所に収監されていた受刑者11人が原因不明の胸の痛みと呼吸困難の症状を見せ、死亡した」と伝えた。このうち数人は、高熱の症状も見られたという。

脱北に失敗し強制送還された人々が全受刑者の半分以上を占める全巨里教化所は、北朝鮮教化所の中でも環境が劣悪で、労働強度が高く、人権侵害の激しい施設として悪名高い。近年では女性の収容施設が拡張されており、口では説明できないような虐待が行われている。

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

それだけにこの教化所では、ふだんから栄養失調や病気、事故などで死者の発生することが少なくないとされる。それでも、11人がたった10日ほどの間に、胸の痛みや呼吸困難などの症状を見せて死亡したのは異例だというのが情報筋の説明だ。

情報筋によると、教化所側はこれに対し、免疫力低下による健康悪化が死因であると割り切り、遺体の処理を急いだという。

教化所側はまた、施設全体で10時間にわたって消毒作業を実施したという。さらに、受刑者全員の発熱検査と健康診断も行った。警備員らは、このような事実が外部に知られないよう、受刑者の口封じに躍起だという。

北朝鮮当局は先月中旬から、新型コロナウイルスの拡散を遮断するために、全国の教化所で面会を中止し、外部からの食べ物の差し入れも禁止している。

そのため、彼らの死因が何であったかを正確に知ることは出来ないながら、面会者を通じてウイルスに感染した可能性は高くないと思われる。ただ、外部との出入りが可能な警備員や、外部から搬入された物品を介してウイルスが流入した可能性は排除できない。

情報筋は「今月に入って10人以上が呼吸困難で死亡すると、この事実を知っている人々の間では、ウイルスに感染したことのではないかと囁かれている。教化所が、以前はやったことのない防疫消毒を大々的に実施し、かん口令を敷いていることが、さらに疑いを強めている」と話した。