北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

金正恩氏(朝鮮中央通信)

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、米上院外交委員会は26日、北朝鮮国内の政治犯収容所の撤廃を求める決議案を通過させた。同決議案は、ユタ州選出のオリン・ハッチ議員(共和党)が4月に提出したもので、金正恩党委員長に対し、収容所に囚われているすべての収監者の釈放も求めている。

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トランプ米大統領や文在寅韓国大統領はじめ、米韓の指導者たちは金正恩氏との対話を優先するあまり、北朝鮮の人権問題に対する言及を露骨なまでに避けている。しかし政治犯収容所を筆頭に、「人権侵害の生産施設」とでも言うべき北朝鮮の拘禁施設の状態が目に見えて改善されない以上、今回の米上院外交委の決議案と同様の動きが、今後もどこかで出続けるのだ。

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韓国の北韓人権情報センター(NKDB)が最近発表した「2018 北朝鮮人権白書」には、北朝鮮の拘禁施設において迫害を受けた人々の血のにじむ証言が数多く収録されている。たとえば咸鏡北道(ハムギョンブクト)出身のある脱北者の女性は、秘密警察である国家安全保衛部(現国家保衛省)の拘禁施設で受けた性的被害について、次のように語っている。

「保衛部には1年ほど囚われていたのですが、1カ月に5~6回も性的暴行を受けました。加害者自身は保衛部ではなく、社会安全部(現人民保安省=警察)所属の看守でした。施設ではこの看守から暴力を振るわれるのですが、それを避けるためにも、また1日に2回しか出されない食事を得るためにも、彼の言うことに従わざるを得ませんでした」

軍や拘禁施設など、閉鎖された空間におけるこうした被害証言は、枚挙に暇がない。軍では例えば、「マダラス」や「書類整理」と呼ばれる性上納の強要が横行している。

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北朝鮮では、女性がこのような被害を訴えた場合、かえって本人が不利益を被るケースも少なくない。だから脱北者の女性も、以前はこうした告発に消極的だった。しかし韓国に定着し、人権の何たるかを知るようになることで、勇気ある証言に踏み切る例が増えているのだ。

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ということはつまり、北朝鮮国内にはこうした被害者が無数にいるということだ。金正恩氏が米韓などとの交流で、どのような未来を築くことを夢見ているのかはわからないが、その未来には必ず、「告発の嵐」が伴うということを肝に銘じておくべきだろう。