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Uターンの新幹線や特急 予約がまだの状態で席を確保するにはどうすればいい? 台風の動きにも注意を

小林拓矢フリーライター
多くの人が利用する東海道・山陽新幹線(写真:イメージマート)

 本日8月14日にはすでにUターンラッシュが始まっている。その中で台風7号の接近にともない、計画運休の可能性を複数のJRが表明しているため、混乱は増していくだろう。15日は東海道新幹線は名古屋から新大阪の間で運休、東京から名古屋も普通車全車自由席で、本数減となる。

 お盆休みの予約状況を見ると、東京発の予約はあらかじめ押さえておく人が多い一方で、帰省先からの列車は乗る直前に確保する傾向があるため、まだ余裕がある状態といえそうだ。

 とはいえ、台風のことは気になりつつも、新幹線や特急は先んじて予約し、席を確保しておくことに越したことはない。駅の長い行列で当日の指定席を確保することは大変だ。

 では、どんな列車が席を確保しやすいのか?

席を確保しやすい列車、しにくい列車

 まずは東海道新幹線を見てみよう。席を確保しにくいのは、東京と博多を結ぶ、「のぞみ」の定期列車である。列車の号数が1ケタか2ケタのものが多い。同じ博多発でも、3ケタの臨時列車があり、そちらのほうがまずは席を確保しやすい。

 そういった博多発の定期列車に、新大阪から東京まで乗ろうとするのは、かなり無理がある。東海道新幹線「のぞみ」は新大阪から東京を結ぶ列車は多いので、新大阪始発の「のぞみ」を利用するのが望ましい。

 新大阪発でも、やはり臨時列車を選びたい。

 東海道新幹線の場合は、「のぞみ」の本数が最大12本であり、鉄道時刻表が出てから設定される臨時列車もあるため、そういった列車をネット予約で見つけ出すというのもひとつの方法だ。

 いっぽう、「ひかり」「こだま」は毎時2本と定期列車のみであり、「のぞみ」のほうがかえって席を確保しやすいという状況がある。

 山陽新幹線の場合は、東京へ向かう「のぞみ」の臨時列車が多く、また九州新幹線からの「みずほ」「さくら」の臨時列車もある。「のぞみ」東京方面臨時列車は、新大阪までならまだ席を確保しやすい。山陽新幹線や九州新幹線は、東海道新幹線ほど混雑するものではないので、席を確保しにくいということはないだろう。

 東北新幹線ほかは、まず仙台で多くの人が乗り降りする。仙台から東京まで向かう人でも、「はやぶさ」「こまち」に乗りたがる人は多い。速達性に優れているからだ。だがそれらの列車は、新函館北斗や秋田からやってくる人でいっぱいだ。仙台からの人がいまから席を確保できる可能性があるのは、仙台発着の「やまびこ」である。盛岡では盛岡発着の同列車である。もちろん臨時列車を狙うのが望ましい。東北新幹線ほかは、線区の特性上突発的に列車を設定することは難しい。それでも、臨時列車ならまだ確保はしやすい。

「やまびこ」に使用されるE5系
「やまびこ」に使用されるE5系写真:イメージマート

 上越新幹線・北陸新幹線でも、このあたりは同じだ。また北陸新幹線の場合、「かがやき」よりも「はくたか」のほうが席を確保しやすい。長野から東京に向かう人は、「あさま」を利用することをおすすめしたい。

 一般の特急でも、臨時列車などの利用を検討していただきたい。

時間をずらす、日をずらす

 繁忙期であっても、混雑している時間帯というのは限られている。午前中の時間帯に各地を出発する列車は、帰宅してからが楽なため、早い時期に予約が埋まってしまいがちだ。だが午後になると、しだいに席が確保できる列車が出てくる。遅い時間ならなおさらだ。

 人によっては、遅い時間の新幹線を利用し、自宅に戻るという選択肢があってもいいかもしれない。

 また、日を1日か2日程度あとにずらす、というのも検討してもいい。台風7号の接近にともない、15日は東海地方や近畿地方が大荒れになるとの予想がある。東海道新幹線は運休が決まっている区間もある。それでも16日は、東海道新幹線ほかは「最繁忙期」という設定になっている。天気の様子を見つつ、Uターンの日程を調整することも可能ならばしていただきたい。

 ただ、15日は運休や減便となると、16日にはできるだけの臨時「のぞみ」を運行してほしいものだ。東海道新幹線「のぞみ」は、日本の鉄道では珍しい突発の運行が可能なシステムになっており、それを最大限に活かしてほしい。14日は、東海道新幹線は東京~名古屋間のみ、特別ダイヤで普通車全車自由席、本数減のため、繰り延べができる人はそうしたほうがいい。

ネット予約、もしくは指定席券売機での事前購入を

 ネット予約を利用しているも多いだろう。そういった人は、台風7号の様子を見つつ、乗る予定の遅くとも1日前には、鉄道の予約をしておきたい。当日の確保は厳しい。なるべくなら、チケットレスで利用できるようにしておく。最低でも自動券売機(できれば受取専用の券売機)できっぷを受け取れるようにしておく。どうしてもネット予約ができないという状況なら、ターミナル駅ではない駅の指定席券売機や窓口で事前に現金できっぷを購入しておく。台風による運休などは無手数料で払い戻しや変更が可能だ。ただ、この場合窓口でないとできないケースがある。

ターミナル駅ではない駅の指定席券売機を上手に活用しよう
ターミナル駅ではない駅の指定席券売機を上手に活用しよう写真:イメージマート

 チケットレスで済ませられるものならばすべてチケットレスで済ませ、そうではなくても長い時間並ばないように発券場所を選んでおく。

 その上で台風の動きを見ながら、どうするかをみなさまには判断していただきたい。とくに東海道新幹線利用者は、16日午後・17日に意識を集中してほしい。JR東海には全力を尽くすことを期待している。

フリーライター

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。鉄道関連では「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」などに執筆。単著に『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)、『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。共著に『関西の鉄道 関東の鉄道 勝ちはどっち?』(新田浩之氏との共著、KAWADE夢文庫)、首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(SB新書)など。鉄道以外では時事社会メディア関連を執筆。ニュース時事能力検定1級。

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