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鉄道に乗れないGW こんな時だからこそ時刻表と路線検索を楽しもう! 新幹線やローカル線を想像しながら

小林拓矢フリーライター
遠く鹿児島中央駅まで新幹線に乗りたいものだ(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 きょうからゴールデンウイーク。お休みの人も多いだろう。昨年のゴールデンウイークも、コロナ禍で外出はなかなか難しかったが、今年も同様だ。首都圏の各知事は「ステイホーム」を先日、人々に対して訴えた。東京は「緊急事態宣言」、神奈川県などでは「まん延防止等重点措置」となっている。

 こんなときには、時刻表を読んだり、Yahoo!の路線情報で検索をしたりと、インドアで鉄道趣味を楽しみたい。

長距離を旅したい

 休みの時期は、ふだんできないような鉄道の長距離利用を楽しみたい、という人も多いのではないだろうか。昨年に引き続き今年も外出は難しい状況なので、『JTB時刻表』(JTBパブリッシング)で列車の時刻を見ながら、想像をめぐらせたい。

 東京から遠くへ出かけるとすれば、新幹線に乗りたいものだ。

 朝8時30分、のぞみ17号は東京駅を出発する。駅ではすでに弁当を買っており、それを朝食とする。しばらくすると、車窓には富士山と茶畑。静岡だ。JR東海はこの時期でも車内販売をやっており、コーヒーやアイスで食後のひとときを味わう。

 三河安城駅を定刻通りに通過するというアナウンスが流れた後、名古屋駅につく。それからしばらくたたないうちに京都駅。新大阪駅には11時00分につく。

 JR西日本区間に入ると、トンネルが相次ぎ、時速300km/hでの走行が当たり前となる。岡山・広島と主要駅に停車しても、停車時間が短いので駅弁は買うことができない。広島駅は最近改良工事が進められ、やがて路面電車とのアクセスも便利になるだろう。

 13時30分には博多駅につく。ちょっとおなかが空いた。九州なので、かしわめしの弁当を買うことにする。『JTB時刻表』は駅弁の案内があるのがいい。13時36分発のみずほ607号に乗る。速達型列車ゆえ、久留米駅と熊本駅にしか停車せず、関西圏と熊本・鹿児島を直結する役割を果たしていると感じられる。

 14時55分には鹿児島中央駅につく。まだ明るいうちに鹿児島に到着するなんて、ものすごいことになったものだ。昔の寝台特急「はやぶさ」なんて、前日の夕方に東京駅を出発して、西鹿児島駅につくのはこのくらいの時間だったことを考えると、驚きである。

 在来線で長距離を旅するとすれば、常磐線特急「ひたち」だ。12時45分、品川駅を発車すると、東京駅、上野駅の順に上野東京ラインを進んでいく。ここからは常磐線だ。水戸駅まではノンストップで、「ときわ」と遠距離と近距離の利用を分けているとわかる。この区間のスピード感はたまらない。ここからは主要駅に停車する。15時13分にいわきにつく。ここからは昨年3月に特急運行が復活した区間だ。単線のところも多く、海に近いところも多いので、風景はいい。ただ、原発事故の廃炉作業や除染作業で発生したものも風景に見られるので、この地に人が戻るのはいつの日になるだろうか。

 17時25分に仙台駅着。夕食は牛タンを食べようか、と考える。

都市ダイヤの精密さを見る

 東京圏では、『MYLINE東京時刻表』(交通新聞社)という首都圏全列車の時刻が掲載されているものが販売されている。近年は、ダイヤ改正の際に発売される。それを見ると、ふだん乗っている列車のダイヤがどれだけ精密にできているかわかる。

 注目すべきは優等列車と各駅停車の接続だ。たいていの場合、各駅停車の停車時間は数分に抑えられている。たとえば東急東横線の自由が丘駅は3分程度、京王線の調布駅は4分程度と、待つ時間としては短い。むしろ、京王ではつつじヶ丘の待ち時間がけっこう長いほうになる。

 こうした優等と各駅の追い抜きを時刻表で読み、ふだん乗っている列車との体感の違いというのを感じてみるのもいいだろう。そして、どう乗れば合理的かを考えてみてはいかがだろうか。

 そういった知見を、通勤・通学や乗り歩きにも活かしたい。

検索で楽しむ鉄道の旅

 本記事が掲載されているYahoo!にはさまざまなサービスがあり、「路線情報」というサービスでは公共交通機関の検索ができる。

 たとえば、東京駅から千葉県の大原駅へ向かおうとすると、次のようになる。9時発の「わかしお3号」で直行できる。

 しかしせっかくだから小湊鉄道といすみ鉄道を利用してみようと考えた場合、経由に小湊鉄道の始発駅である「五井」を入れてみる。すると、五井駅で蘇我まであともどりすることになる。

 そこで小湊鉄道といすみ鉄道の接続駅である「上総中野」も追加してみる。

 五井駅で乗りかえ、小湊鉄道といすみ鉄道を利用して大原へ向かうことができた。

 どこからどこへ行くのかを考え、新幹線や有料特急、飛行機などの利用の有無、経由地などをさまざまに設定してみると面白いだろう。

 紙やネットの上でも、創造力や思考力を使って鉄道を楽しむことが可能だ。ぜひこのゴールデンウイークには、そういった楽しみ方をしていただきたい。

 もし古い時刻表や時刻表の復刻版を持っている人ならば、あなたは幸せだ。それらを利用してさまざまな比較もできる。これこそ、本当に面白い。

フリーライター

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。鉄道関連では「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」などに執筆。単著に『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)、『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。共著に『関西の鉄道 関東の鉄道 勝ちはどっち?』(新田浩之氏との共著、KAWADE夢文庫)、首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(SB新書)など。鉄道以外では時事社会メディア関連を執筆。ニュース時事能力検定1級。

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