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最速上映も実施!劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」なるべく早く鑑賞したい訳

小新井涼アニメウォッチャー
AnimeJapan 2024展示(筆者撮影)

毎年この時期お馴染みの劇場版「名探偵コナン」。その最新作である劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」が、いよいよ今週末に公開されます。

昨年、遂にシリーズ初の興収100億円を突破し、ますます注目が集まる本作。

加えて、毎年劇場版「名探偵コナン」を楽しみにしている人々にとって、公開を週末に控えたこのタイミングは、より一層緊張感が漂う時期でもあります。

それは例年、今年も実施が発表されたばかりの最速上映含め、そろそろ公開初日以降の座席予約が始まりだすタイミングでもあるからです。

大好きな作品を真っ先に鑑賞したいのはもちろん、他の作品と比べても、劇場版「名探偵コナン」は特に、公開直後の座席予約に集まる熱量が大きなものとなっています。それは一体なぜなのでしょうか。

■膨らむネタバレへの懸念

待ちに待った作品をできる限り早く鑑賞したい気持ちは、どの作品でも変わりません。劇場版「名探偵コナン」の場合、それに加えてネタバレをくらってしまう前に真っ新な気持ちで鑑賞を楽しみたいという気持ちが、一層人々を早めの鑑賞へと向かわせるようです。

ネタバレ自体もどの作品にもつきものですが、ミステリー要素が絡む劇場版「名探偵コナン」では、万が一にでも鑑賞前に犯人や事件の真相等を知ってしまっては大打撃です。

過去何度も、鑑賞予定者にネタバレをする嫌がらせアカウントが問題になってきましたし、昨年は具体的な原因への言及はないものの、完成披露試写会後のネタバレ騒動に端を発すると思しきリプライへの対応について、作品公式が文書を出すといった騒ぎもありました。

もちろん、まだ鑑賞していない人のためにネタバレを控える人は多く、ネタバレ込みで作品を語りたい人々のために「ネタバレ解禁室」を設置するといった公式側の配慮もありました。

それでも、SNSや町中など、いつどこでネタバレや物語の核心に触れる情報を目に耳にしてしまうか分かりません。

それもあり昨今は殊更、劇場版「名探偵コナン」は公開初日ないし、公開後のなるべく早い回の座席を確保したいと、この時期上映スケジュールの発表に向けて緊張が走るようになってきたのだと思います。

■今年はより一層早く観たい理由

上記に加え、今年の劇場版「名探偵コナン」には、例年より一層“なるべく早く鑑賞したい”と思わせる要素も存在します。

それは今回、通常原作漫画やテレビシリーズが進行中のアニメの劇場版において、ある種禁じ手ではとも思える“原作でも明かされていない秘密”が明らかになるという点です。

劇場版アニメは、原作やテレビシリーズを追うファンであっても全員が鑑賞する/できるとは限りません。

そのため、通常は劇場版を鑑賞していなくてもその後の展開が問題なく追えるよう、そこで新情報が明かされることはめったにないのですが、今作ではテレビシリーズどころか原作にも先んじて、キーパーソンである"キッドの秘密"が明らかになるそうなのです。

恐らく上記理由から、“劇場版をみないと今後の原作やテレビシリーズの展開が分からなくなる”といった内容ではないと思われるものの、後々原作やテレビシリーズでも触れるかもしれない新情報が先んじて明らかになるのなら、やはりなるべく早く鑑賞したくもなります。

それもあって試写会が行われなかった今作はより一層、公開初日や公開直後のなるべく早い回の座席確保への熱意も高まるのでしょう。

とはいえ実は、こと劇場版「名探偵コナン」に関しては、2014年の「異次元の狙撃手(スナイパー)」でも同様の仕掛けが行われており、長年作品を追うファンの間では、その時のような衝撃があるのではと既に噂されてもいます。

果たして、これほど厳重にネタバレが回避される中で明かされる秘密とは一体なんなのか、初日以降の反響を含め、今年の映画も見逃せないものになりそうです。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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