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10周年のAnimeJapan 2023コロナ禍を経て変わったこと、変わらないこと

小新井涼アニメウォッチャー
会場内展示(筆者撮影)

世界最大級のアニメイベントAnimeJapanが、この週末に開催されました。※

  • ※パブリックデイの開催

コロナの影響で2020年の中止、21年のオンライン開催、22年のオンライン/リアルハイブリッド開催を経て、ついに約4年ぶりのリアル開催完全復活、加えて10周年の節目ともなった今回。

当日の会場は、どんな様子だったのでしょうか。

■アクティビティの復活

まず今年印象的だったのは、シンプルな展示だけじゃなく、現地に足を運んだ人が楽しめるような、“体験”を重視したアクティビティが充実していたことです。

そうした展示は以前からあったものの、コロナ禍の中止・オンライン開催を経た昨年は、密や接触を極力避けるためか、会場でもそうした展示はあまり見受けられませんでした。

しかし今年は、リアル開催完全復活というだけあり、実際に手に触れたり体験したりできるようなアクティビティも復活。

ツイートや公式アカウントのフォローといった一定条件をみたすと遊べるガチャ系のものや、

作品にも関連したアクティビティが楽しめるもの

ミニシアター内で3D映像が楽しめるものなど、バラエティ豊かな企画が揃っており、来場者もそうした会場での体験を楽しんでいました。

好きな作品のイベントや知らない作品との出会いはもちろん、会場でしか手に入らないノベルティや、こうした体験もAnimeJapanの醍醐味のひとつ。

そんなアクティビティも充実した会場の様子は、まさにリアル開催完全復活といえる活気が満ちたものになっていました。

■国際色豊かな来場者も復活

そうした展示側の様子に加え筆者が今年感じたのは、国際色豊かな来場者の復活です。

もちろん、元々日本に在住している来場者の方もいるでしょうし、あくまでコロナ禍以降初めて会場開催が行われた昨年と比べた体感ですが、来場者の顔ぶれが多彩で、会場を歩いていると様々な言語が耳に入るという点には、コロナ以前のAnimeJapanが復活したことが強く感じられました。

“世界最大級”というだけあり、コロナ以前から海外のアニメファンにも注目され、オンライン開催中も様々な言語圏からの参加者が見受けられたAnimeJapan。

コロナ禍により物理的な移動が一時困難になったものの、リアル開催完全復活となった今回、世界のアニメファンとリアルで繋がる場としても、完全復活を遂げたように思います。

会場外観(筆者撮影)
会場外観(筆者撮影)

こうして、会場の様子や盛り上がりも、コロナ以前の活気を感じられるようになり、名実共にリアル開催完全復活となったAnimeJapanですが、全てが全てコロナ以前に戻った訳でもありません。

以前は基本的に会場での観覧がメインであったステージイベントのいくつかでは、オンラインとのハイブリッド開催時と同じように配信も同時に行われるなど、コロナ禍で得たノウハウ、良いものはそのまま活かすといった方向性も見受けられました。

そんな今年のAnimeJapanは、単にコロナ以前が完全復活したというよりは、コロナ禍を経てよりパワーアップした、10年目以降の盛り上がりを益々期待させるような、リアル開催の完全復活であったといえるのではないかと思います。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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