Yahoo!ニュース

通販番組×人気声優のコラボも!?近年増える”声優プロデュース商品”アニメ異業種からも熱視線の訳

小新井涼アニメウォッチャー
(写真:CavanImages/イメージマート)

深夜や明け方に流れているとついつい眺めてしまう通販番組。

そんな番組が“人気声優”という意表過ぎるジャンルとコラボした特別番組が、この週末に放送され、注目を集めました。

その名も、「超!声優通販バラエティー イケボdeポシュレww」。

日本テレビの通販番組「日テレ ポシュレ」と、人気声優・浪川大輔氏、吉野裕行氏、福山潤氏、江口拓也氏、島﨑信長氏がタッグを組み、単に番組へ出演するのではなく、そこで販売する商品の企画開発から共にプロデュースするという驚きの企画の最新作です。(番組ナレーターも人気声優の諏訪部順一氏が担当)

バラエティ番組や実写ドラマの出演にと、ますます活躍の場を広げている声優の方々。

そんな中、彼らや、彼らがプロデュースする商品までもが、こうしてアニメ以外の、様々な分野や異業種から熱視線を集めているのは、一体なぜなのでしょうか。

◆単なるコラボではないガチな”商品”たち

その所以は、上記番組で販売された商品たちへのこだわりからも窺うことができます。

出演した声優陣がプロデュースした商品は、それぞれ浪川氏による「音の仕事をする声優もお墨付きの、音質にこだわったワイヤレスイヤホン」、アイドルファンの吉野氏による「実用性も兼ねた推し活にぴったりのバッグ」、長年理想の枕を探していた福山氏による「寝心地の良さをとことん追求したオリジナル枕」、野菜嫌いの江口氏による「野菜を美味しく食べられるドレッシング」、笑顔が魅力的な島﨑氏による「使った人が癒され笑顔になれるオリジナルフェイスマスク」。

単にご自身の名前やサインが入っているオリジナルグッズを作ったのではなく、自らのパーソナリティに沿った“欲しい物を本気で商品化”したラインナップとなっています。

さらに、それら商品の開発には、イヤホン専門ブランドの「final」やアパレルブランド「JAM HOME MADE」をはじめとする各分野の著名ブランドが協力。

ご本人たちが各ブランドと何度もやりとりを重ねて作られた品々は、自らの理想形であるのはもちろん、推しの開発したグッズとして彼らのファンが買うだけでなく、番組を見た人が純粋に欲しくなってしまう本格的な“商品”になっているのです。

※商品開発の様子も放送された番組は3月31日まで期間限定配信中

◆表現者である声優×異業種が生む魅力ある商品

実は他にも、梶裕貴氏のen.365や、青木志貴氏のGreen Eyed Monsterといったアパレルブランドが特に顕著ですが、こうしてアニメ異業種とコラボした、グッズとも違う“声優プロデュース”のブランドや商品は、近年増加してきています。

そしてそのアイテムのどれもが、上記通販番組と同じく、各声優ご自身のパーソナリティ(服好き等)と縁があり、単に名前を借りただけの企画ではなく、こだわりや理想を反映した純粋に欲しくなってしまう本格的な商品として、開発販売されているのが特徴です。

もちろん、そうした企画は大前提として、声優としての人気や話題性がありきであることも間違いないでしょう。

しかし近年こうして、"声優プロデュース"に様々な分野や異業種から熱視線が集まっているのには、決してそうした客寄せ的な側面ばかりが見られている訳ではないところにポイントがあると思います。

例えば上記のような、何かを生み出すときに発揮するこだわりや理想など、マルチな“表現者”である声優が持つ強いパーソナリティが反映されることで、ファンはもちろん、声優プロデュースだと知らない人にまで訴求力を持つ、個性的な商品が生まれることが期待されてのことでもあるように思うのです。

数々の大ヒットアニメが生まれ、そこに出演する声優陣にも注目があつまる現在。

その声での表現はもちろん、彼ら彼女らがプロデュースする商品にまで魅力を感じた異業種がコラボするこうした企画も、今後益々増えていくことが予想されます。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

小新井涼の最近の記事