緊急事態宣言解除後のエンタメシーンハイライト:アニメ関連を中心に

Netflixアニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』2020年6月18日(木)Netflixにて全世界独占配信 (c)2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会

先月25日に、全都道府県で緊急事態宣言が解除されてから1ヶ月。

ここ数ヶ月の間に、ライブや舞台、イベントなど、様々な場面で中止や延期の影響を受け続けてきたエンタメシーンにおいても、ウィズコロナの状況下における新たな動きや試みがみられるようになってきました。

そんな緊急事態宣言解除後のエンタメシーンのハイライトを、アニメ関連のニュースを中心に概観してみます。

劇場版アニメの動き

緊急事態宣言解除に伴い映画館の営業も再開される中で、春先から公開延期となっていた新作劇場版アニメの新しい公開日も順次発表され始めました。

劇場版「名探偵コナン 緋色の弾丸」や映画「それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国」など、公開を1年以上延ばすことが発表された作品もありますが、同じく新たな公開日が発表された「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel」第三章、「東映まんがまつり」といった作品は、今年8月9月の公開が予定されています。

また、そうした新作劇場版アニメの公開が早くて8月以降なのもあってか、営業が再開された映画館では現在、名作のリバイバル上映が盛んになってきているようです。

今月も、2018年公開の「ペンギン・ハイウェイ」が新たに復活上映され、発表当初から話題になっていたジブリ映画4作品のリバイバル上映も、26日から開始されています。

一方で、当初予定していた劇場公開をNetflixでの独占配信に切り替えたことで注目を集める「泣きたい私は猫をかぶる」も、ついに今月18日から配信が開始されました。

早速Netflixの国内ランキング「今日のTOP10リスト」入りを果たすなど、今のこの状況下で劇場公開とは違ったアプローチを使い、多くの人へ作品を届けることに成功しているようです。

2.5次元作品の動き

2月以降、公演の中止や延期が相次いでいた2.5次元作品でも、「新サクラ大戦 the Stage」をはじめ、新たな公演日が発表され始めています。

人気タイトルである舞台「刀剣乱舞」では、今夏予定していた本公演は中止となったものの、舞台上でのソーシャルディスタンスを保つなどの感染予防対策を講じた”新形態での上演”が行われることが発表され、話題になりました。

同じく今春の公演が中止(※その後今秋の公演実施を発表)となったミュージカル「忍たま乱太郎」では、キャスト達が自宅から生出演する特別リモート番組が配信されたり、週刊少年ジャンプで連載中の漫画「アクタージュ act-age」の舞台化作品では、ヒロイン役の審査に”リモートオーディション”が導入されるなど、公演以外の場面でも、今の状況下でできる新たな取り組みが次々と生まれているようです。

展示会などリアルイベントでの動き

これまでは難しかった展示会などのリアルイベントも、今月12日には「アニメ『ガンバの冒険』45周年展~ねずみ年だよ!しっぽをたてろ―!~」が、20日からは「SHIROBAKO展 ~SHIROBAKOで学ぶアニメのつくり方~」が開催されるなど、感染防止につとめたうえで、実施され始めています。

また、毎年7月にロサンゼルスで行われている北米最大級のアニメコンベンション「Anime Expo」は、リアルイベントの開催中止に伴い、現地時間7月3日~4日にライブストリーミングイベントとしての「Anime Expo Lite」開催を発表。

本来であればロサンゼルスまで足を運ぶ必要のあったビッグイベントを日本からでも楽しめるという、これまでになかった機会も生まれています。

ウィズコロナという現状

こうして概観してみると、中止や延期など、ただただ「今まで出来ていたことが出来なくなっていく」ばかりであったこれまでに比べ、緊急事態宣言が解除されてからは、再開・実施に向けた前向きな動きも多く見られるようになりました。

ただ、こうした現状はあくまで「コロナ以前に出来ていたことがまた出来るようになってきた」というよりは、関係者の方々が日々対応と対策を考える中で、少しずつ「ウィズコロナの状況下でも出来ることが分かってきた」状態なのだと思います。

ある意味それは、『ワクチンが無い状況下では引き続き油断はできない。けれどコンテンツを盛り上げる・継続させるためにも、解除後に出来るようになったことは(仲間内から感染者が出ないように気をつけつつ)楽しみたい』という、ファンにとっても製作サイドにとっても、完全自粛時とはまた違ったベクトルで神経をつかう難しいタイミングなのかもしれません。

せめてこうして少しずつ増えてきた「この状況下でも出来ること」が再び出来なくなってしまわないように、まだしばらく感染予防に徹する日々は続きそうです。