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大谷翔平が最優秀MLB選手、大坂なおみが最優秀女子アスリートに選出されたESPY賞とはなにか?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
ESPYの最優秀MLB選手に選ばれた大谷翔平(エンゼルス公式ツイッターより)

 アメリカ・スポーツ界のアカデミー賞、もしくはグラミー賞と呼ばれる「ESPY賞」の発表が7月10日(日本時間11日)に行われ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が「最優秀MLB選手」に選ばれた。また、女子テニスの大坂なおみは「最優秀女子アスリート」と「最優秀女子テニス選手」の2冠に輝いた。

 「ESPY賞」は米4大テレビ・ネットワークの1つであるABCと傘下のスポーツ専門テレビ局のESPNが主催するアメリカ・スポーツ界版のアカデミー賞。

 ESPYとは「Excellence in Sports Performance Yearly Award(年間スポーツパフォーマンス優秀賞)」の頭文字をとったもの。

 1993年に第1回が開催されNBAのマイケル・ジョーダンが最優秀男子アスリートに選ばれた。

 大谷が選ばれた最優秀MLB選手賞は、イチローでも選ばれたことはなく、日本人選手の受賞は大谷が初めて。今季途中まで大谷のチームメイトだったアルバート・プホルス(現ロサンゼルス・ドジャース)とバリー・ボンズの4度受賞が最多。大谷の同僚のマイク・トラウトは3度選ばれており、エンゼルスの選手が受賞するのはトラウトに次いで大谷が2人目となる。

ESPY賞『最優秀MLB選手』歴代受賞者

1993年 デニス・エカーズリー(アスレチックス)

1994年 バリー・ボンズ(ジャイアンツ)

1995年 ジェフ・バグウェル(アストロズ)

1996年 グレッグ・マダックス(ブレーブス)

1997年 ケン・カミニティ(パドレス)

1998年 ラリー・ウォーカー(ロッキーズ)

1999年 マーク・マグワイア(カージナルス)

2000年 ペドロ・マルティネス(レッドソックス)

2001年 ペドロ・マルティネス(レッドソックス)2度目

2002年 バリー・ボンズ(ジャイアンツ)2度目

2003年 バリー・ボンズ(ジャイアンツ)3度目

2004年 バリー・ボンズ(ジャイアンツ)4度目

2005年 アルバート・プホルス(カージナルス)

2006年 アルバート・プホルス(カージナルス)2度目

2007年 デレク・ジーター(ヤンキース)

2008年 アレックス・ロドリゲス(ヤンキース)

2009年 アルバート・プホルス(カージナルス)3度目

2010年 アルバート・プホルス(カージナルス)4度目

2011年 ロイ・ハラデイ(フィリーズ)

2012年 ジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ)

2013年 ミゲル・カブレラ(タイガース)

2014年 ミゲル・カブレラ(タイガース)2度目

2015年 マイク・トラウト(エンゼルス)

2016年 ブライス・ハーパー(ナショナルズ)

2017年 マイク・トラウト(エンゼルス)2度目

2018年 マイク・トラウト(エンゼルス)3度目

2019年 クリスチャン・イェリチ(ブリュワーズ)

2020年 コロナ禍のため受賞者なし

2021年 大谷翔平(エンゼルス)

 2021年度の候補選手は大谷の他に、昨季MVPのホセ・アブレイユ(シカゴ・ホワイトソックス)、昨季のサイ・ヤング賞投手のトレバー・バウアー(昨季はシンシナティ・レッズ、現ドジャース)、昨季のワールドシリーズMVPのコリー・シーガー(ドジャース)が挙げられたが、大谷が初受賞した。

 さまざまなスポーツを表彰するESPY賞は、毎年7月半ばに発表されるために、MLB選手賞は前年7月半ばからの1年間のパフォーマンスが対象となる。

 受賞した大谷は、「私に投票していただいたファンの皆様に感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございます。チームメイトのマイク・トラウト選手を含め、これまでそうそうたる方々が受賞してきた中で、私を選んでくれたことをとても光栄に思っています。心より深く感謝しています。ありがとうございます」とチームの公式ツイッター・アカウントを通して感謝の気持ちをファンに伝えた。

 また、最優秀男子アスリートは、NFLタンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ、NHLエドモントン・オイラーズのコナー・マクデビッド、NBAデンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチ、F1のルイス・ハミルトンの4選手が候補に挙がり、スーパーボウルを制したブレイディが選ばれた。

 アメリカ・スポーツ界最高の選手の一人と評されるブレイディだが、意外にもESPYの最優秀男子アスリートに選ばれたのはこれが初めて。NFL選手としては、1995年のスティーブ・ヤング、2007年のラドニアン・トムリンソン、2010年のドリュー・ブリーズに次いで、4人目の受賞となった。2011年以降は、2018年のアレクサンドル・オベチキン(NHL選手)を除いて、ずっとNBA選手が独占。MLB選手は1999年のマグワイアを最後に選ばれていない。

 ブレイディ率いるバッカニアーズは、MLBのドジャースらを抑えて、「最優秀チーム賞」も獲得した。

 最優秀女子アスリートはテニスの大坂なおみが初受賞。第1回の1993年の受賞者もテニスのモニカ・セレシュで、テニス選手が選ばれたのは2013年のセリーナ・ウィリアムズ以来となった。

 大坂は最優秀女子テニス選手賞とのダブル受賞となったが、最優秀女子テニス選手賞は2019年に候補選手には挙がったが受賞を逃しており、こちらも初めての受賞となった。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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