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大谷翔平はベーブ・ルースとロジャー・マリスを抜いて「薬物の力を借りない」最多本塁打記録更新できるか?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
シーズン60.3本塁打ペースで本塁打を量産している大谷翔平(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 日本人メジャーリーガーの新記録となるシーズン32号ホームランを放った大谷翔平。シーズン前半戦で早々と記録を塗り替えた大谷と比較すべき存在は、先輩の日本人メジャーリーガーではなく、メジャーの歴史に名前を残してきた伝説の存在である。

 シーズン86試合で32ホームランは、162試合で60.3本塁打となり、メジャーリーグの長い歴史でも8度しか達成されていないシーズン60ホーマー超えが期待できる。

MLBシーズン60本塁打以上

1位: バリー・ボンズ(ジャイアンツ) 73本塁打 2001年

2位: マーク・マグワイア(カージナルス) 70本塁打 1998年

3位: サミー・ソーサ(カブス) 66本塁打 1998年

4位: マーク・マグワイア(カージナルス) 65本塁打 1999年

5位: サミー・ソーサ(カブス) 64本塁打 2001年

6位: サミー・ソーサ(カブス) 63本塁打 1999年

7位: ロジャー・マリス(ヤンキース) 61本塁打 1961年

8位: ベーブ・ルース(ヤンキース) 60本塁打 1927年

参考: 大谷翔平(エンゼルス) 60.3本塁打ペース 2021年

 この中で1位のボンズから6位のソーサまでは、メジャーのスラッガーたちが筋肉増強剤を使い、薬の力を借りて作られたホームラン記録。

 薬の力を借りないでシーズン60本塁打以上を放ったのは、1927年のベーブ・ルースと、1961年のロジャー・マリスの2人しかいない。大谷はルースとマリスに次いで、メジャー史上3人目の「薬の力を借りない」60ホームランを記録する可能性があるが、それだけでなく、62本塁打以上を放ち、マリスとルースを抜くチャンスを秘めている。

 27年のルースはシーズン86試合の時点で30本塁打を放ち、32本塁打はシーズン95試合目だった。61年のマリスはシーズン86試合で35本塁打とハイペースでホームランを打っていたが、マリスは開幕から99試合までフル出場していた。86試合目の時点でマリスの本塁打位率は9.02打数に1本で、大谷は9.06打数に1本とほぼ同じ。

 打者に専念してこのペースでホームランを打っていても凄いのに、大谷は投手との二刀流をこなしながら、ルースやマリスの記録に迫っているのだから、日本だけでなく、全米が大谷に熱狂するのも当然のことだ。

 2004年にイチローがシーズン262安打を放ってジョージ・シスラーが持っていたメジャーのシーズン最多記録を塗り替えたときと同じように、我々は再び歴史的偉業の目撃者になろうとしている。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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