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現役メジャーリーガーが選んだ最強先発投手ランキング。大谷翔平、ダルビッシュ有は何位?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
現役メジャーリーガーによる投票でリーグ屈指の先発投手に選ばれた大谷翔平

 オールスターゲームのメンバーを選手が選ぶ「選手間投票」の結果を見ると、現役メジャーリーガーが選ぶ最強選手ランキングを知ることができる。

 実際に対戦経験がある選手からの意見はとても貴重で、真の意味で選手の実力を計るバロメーターとなる。

 現地7月4日に発表された先発投手部門の「選手間投票結果」は以下の通りだった。

アメリカン・リーグ

1位:ゲリット・コール(ヤンキース)272票

8勝4敗、防御率2.91、135奪三振、WHIP0.96、被打率.210

2位:ランス・リン(ホワイトソックス)199票

8勝3敗、防御率2.02、99奪三振、WHIP1.03、被打率.190

3位:カルロス・ロドン(ホワイトソックス)192票

6勝3敗、防御率2.37、122奪三振、WHIP0.94、被打率.177

4位:シェーン・ビーバー(インディアンス)189票

7勝4敗、防御率3.28、130奪三振、WHIP1.25、被打率.232

5位:大谷翔平(エンゼルス)121票

3勝1敗、防御率3.60、83奪三振、WHIP1.27、被打率.194

 大方の予想通り、奪三振数1位のコールが1位となったが、2位以下には予想外の名前が並んだ。2位以下を70票差以上離して、ア・リーグでは頭1つ分抜け出ている。

 2位のリンは日本での知名度は高くないが、過去2シーズン続けてサイ・ヤング賞投票で6位以内と安定感は抜群のベテラン投手。3位に入ったチームメイトのロドンは、メジャー7年目の今季、ノーヒットノーランを達成するなど突然ブレイク。

 「投手3冠」を達成してサイ・ヤング賞に輝いた昨季ほどの無双ぶりはないが、4位のビーバーは今季もリーグ・トップクラスの投球を続けている。2位のリン、3位のロドン、4位のビーバーの票数は僅差で、この3投手の評価はほぼ同じ。

 最大の驚きは5位に大谷が入ったこと。防御率1.98でリーグ1位のカイル・ギブソン(レンジャーズ)を抑えて、規定投球回数にも達成していない大谷が選ばれた背景には、二刀流としての活躍があることは否定できない。だが、純粋に投手としての才能を見ても、100マイルを超える速球と魔球フォークを投げる大谷を打つのは簡単ではない。今季は制球力に苦しむ試合も多いが、奪三振率12.45はコールの11.57を上回っている。四球が多いので、WHIPはそれほど良くないが、被打率は1割台と相手打者にヒットは許さない。

 また、WHIP0.93&被打率.176で、この2部門でリーグ1位のタイラー・グラスノー(レイズ)が6月17日に60日間の故障者リスト入りして、オールスターに出場できないことで、グラスノーへの投票数が激減したのも大谷にはプラスに作用した。

選手間投票でア・リーグ先発投手部門5位に選ばれた大谷翔平
選手間投票でア・リーグ先発投手部門5位に選ばれた大谷翔平写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

ナショナル・リーグ

1位:ジェイコブ・デグロム(メッツ)321票

7勝2敗、防御率0.95、136奪三振、WHIP0.54、被打率.122

2位:ケビン・ゴーズマン(ジャイアンツ)210票

8勝3敗、防御率1.74、124奪三振、WHIP0.80、被打率.157

3位:コービン・バーンズ(ブリュワーズ)153票

4勝4敗、防御率2.41、120奪三振、WHIP0.90、被打率.197

4位:ブランドン・ウッドラフ(ブリュワーズ)146票

7勝3敗、防御率1.87、119奪三振、WHIP0.78、被打率.156

5位:ダルビッシュ有(パドレス)105票

7勝3敗、防御率2.65、123奪三振、WHIP0.95、被打率.198

 今季のデグロムはメジャーの長い歴史に刻まれる圧倒的な投球を続けており、1位はデグロム以外に考えられない。

 2位のゴーズマンはフォークで三振の山を築き、エリート・ピッチャーの仲間入りを果たした。

 3位と4位にはブリュワーズのチームメイトが並んだ。メジャー4年目のバーンズは、今季を含めて防御率2点台のシーズンが3回あり、数年後にはメジャーを代表する投手に成長する可能性を感じさせる26歳。24歳のウッドラフは2019年にもオールスターに選ばれており、シンカーを武器にゴロを打たせる。ブリュワーズには、この2人以外にも奪三振率とWHIPがリーグ2位のフレディ・ペラルタがいて、メジャー最強三本柱を形成している。

 そのペラルタを抑えて5位に選ばれたダルビッシュは、「今年は納得行く試合があまりなくて、だましだましやっている感じ」と口にするが、その中で防御率2点台、WHIP1.0以下、被打率1割台はさすが。「自分だったらもうちょっとできる、こんなはずじゃないというところがある」と本人的には満足できる内容ではないと言うが、長年メジャーで活躍を続けてきたダルビッシュをリスペクトするメジャーリーガーは多い。今季の成績はもちろんのこと、ダルビッシュがメジャーでこれまでに積み重ねてきた実績が選手からの票に繋がった。今季も好調なマックス・シャーザー(ナショナルズ)やクレイトン・カーショウ(ドジャース)のベテラン勢を抑えての5位は大きな意味を持つ。

選手間投票でナ・リーグの先発投手部門5位に選ばれたダルビッシュ有(写真:三尾圭)
選手間投票でナ・リーグの先発投手部門5位に選ばれたダルビッシュ有(写真:三尾圭)

 大谷もダルビッシュも今季前半は、ベストと呼べるパフォーマンスができなかったにもかかわらず、それぞれのリーグで5位に選ばれている。

 前半戦で悪かった部分を修正すれば、後半戦はさらに良いピッチングが期待できる。

 修正力の高さには定評がある2人だけに、後半の活躍も楽しみだ。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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