1月16日(日本時間17日)に行われたNFLのプレイオフ第2ラウンドで、バッファロー・ビルズに敗れてシーズンを終えたボルティモア・レイブンズのスター・クオーターバック(QB)、ラマー・ジャクソンに対して、ビルズ・ファンが45万ドル(約4680万円)を寄付した。

 昨季はMVPに輝いたジャクソンは、走力とパス力を兼ね備えた新世代型のQB。ビルズ戦では3Qにタックルを受けた際に脳震盪を起こして、試合を途中退場した。

 「ビルズ・マフィア」の異名を持つ熱狂的なビルズ・ファンたちは、敵チームのエース選手であるジャクソンをサポートする意思表示を見せるために、ジャクソンが支援する非営利団体への寄付を呼びかけた。

 ジャクソンが支援を続ける非営利団体は、低所得層家庭の児童に食料を提供する「ブレッシングス・イン・ア・バックパック」。

 ジャクソンは2018年に直筆サイン入りグッズを寄贈。団体はそれをオークションにかけ、2万5000ドル(約260万円)の寄付金を集めたこともある。

 今回は数人のビルズ・マフィアの呼びかけに多くの仲間が賛同して、試合の2日後には1万3千人以上のファンから3万6000ドル(約3744万円)が同団体に寄付された。

 ビルズ・マフィアは、今週末のプレイオフ第3ラウンドで対戦するカンザスシティ・チーフスのファンにもこの運動に加わるように呼びかけ、19日(日本時間20日)夜の時点で寄付額は45万ドルまで増えている。

 24日(日本時間25日)の試合キックオフまでに50万ドル(約5200万円)を集めることを目標に、運動はリーグ全体にまで広がっている。

 50万ドル集まれば、今週末は全米中で12万5000人のお腹を空かせた児童に食事を提供できる。

 この運動にはジャクソンもとても感謝しており、ツイッターを通してビルズ・マフィアにお礼のメッセージを送った。

 ビルズ・マフィアとジャクソンの繋がりは2017年まで遡る。

 このシーズンは最終戦を前に18年ぶりとなるプレイオフ出場への道が開かれていたビルズ。ビルズがプレイオフに出るためには、最終戦で勝利するとともに、レイブンズがシンシナティ・ベンガルズに負ける必要があった。

 レイブンズ対ベンガルズ戦の試合終盤、4Q残り44秒でベンガルズのQB、アンディ・ダルトンが逆転のタッチダウン・パスを決めて、レイブンズのプレイオフ出場の望みを打ち砕き、ビルズにプレイオフ出場の切符をプレゼントした。

 18年ぶりのプレイオフ出場を喜んだビルズ・マフィアは、ダルトンが設立した「アンディ・アンド・ジョーダン・ダルトン財団」に41万5000ドル(約4316万円)を寄付。財団はこの寄付金で難病と戦う子どもたちへの支援を広げた。

 ダルトン夫妻はこのビルズ・マフィアの善意に応えるために、2018年のプレシーズン戦でバッファローを訪れた際に、バッファローのがん研究センターに多額の寄付を収めた。

 また、昨年11月にビルズのエースQB、ジョシュ・アレンの祖母、パトリシアさんが亡くなった際には、ビルズ・マフィアがバッファローの子供病院に対してパトリシアさんの名前で114万ドル(約1億2200万円)を寄付している。この運動には2万7千人以上のビルズマフィアが加担しており、アレンの背番号「17」に因んで、17ドルを寄付するファンも多い。

 熱狂的なファンが多いNFLだが、自チームの選手だけではなく、相手チームの選手にもリスペクトを払い、金銭的な支援も積極的に行っている。アメリカでNFLが最も愛されるスポーツである理由は、こんなところにもある。