元阪神のドリス&Pジョンソンの成功で、ロッテ沢村の評価が上昇

今季はパドレスで活躍した元阪神のピアース・ジョンソン(撮影:三尾圭)

 今オフに海外フリーエージェント(FA)権を行使しての大リーグ移籍を考慮している千葉ロッテマリーンズの沢村拓一。メジャーでは10球団近くが沢村獲得に興味を示していると言われているが、沢村のメジャーでの評価が上昇している背景には、2019年に阪神タイガースのブルペンを支えたラファエル・ドリスとピアース・ジョンソンのメジャーでの活躍が大きな要因として挙げられる。

 まずはメジャー復帰1年目となった2020年のドリスとジョンソンの成績を見てみよう。

 トロント・ブルージェイズでセットアッパーを務めたドリスは24試合に登板して、2勝2敗、5セーブ、チームトップの7ホールド、防御率1.50を記録。24.0イニングを投げて、31奪三振(三振率11.6)、14与四球(三振/四球率2.21)の活躍でブルージェイズのプレイオフ出場に貢献した。

 ジョンソンはサンディエゴ・パドレスで24試合に登板して、3勝1敗、1ホールド、防御率2.70の成績を残した。20.0イニングを投げて、27奪三振(三振率12.2)、9与四球(三振/四球率3.00)。24試合中20試合を無失点で切り抜ける安定感を誇った。

 ドリスの投球は平均95マイル(152キロ)のシンカーが61%を占め、平均84マイル(134キロ)のスライダーが21%、平均87マイル(139キロ)のスプリットが18%と3つの球種を投げ分けた。スプリットの空振り率は50.0%、スライダーの空振り率は55.3%と決め球の2つの空振り率は5割を超え、三振の山を築いた。

 日本でも縦に大きく落ちるカーブと150キロ台半ばの速球のコンビネーションで打者を封じたジョンソンは、メジャーに戻ってからも平均96マイル(154キロ)のシンカーが全投球の43%、平均85マイル(136キロ)のカーブが54%と基本的には2つの球で勝負。平均96マイル(154キロ)のフォーシームは3%しか投げていない。メジャーの打者でもジョンソンのカーブを打つのは難しく、カーブの空振り率は48.1%を記録した。

 沢村の速球は今季最速99マイル(159キロ)で、スプリットも93マイル前後(約150キロ)を計測する。

 メジャーの投手でスプリットの今季平均球速が90マイルを超えたリリーフ投手は、ニューヨーク・メッツのジェウリス・ファミリア(91マイル=146キロ)一人だけで、沢村の高速スプリットは大きな武器になる。

 シアトル・マリナーズの平野佳寿がアリゾナ・ダイヤモンドバックスに所属していたメジャー1年目(2018年)に大成功を収めたのも、投球全体の45.4%を占めたスプリットで打者を制圧できたから。この年の平野のスプリットは平均83マイル(133キロ)で、平野よりも15キロ近く速い沢村のスプリットはメジャーの打者を戸惑わせそうだ。

 2019年の阪神はドリスが5勝4敗、19セーブ、10ホールド、防御率2.11で、奪三振率8.1、三振/四球率4.55、ジョンソンは2勝3敗、40ホールド、防御率1.38、奪三振率14.0、三振/四球率7.0だった。

 沢村は今季、ロッテ移籍後に0勝2敗、1セーブ、13ホールド、防御率1.71、奪三振率12.4、三振/四球率2.9で、2019年のジョンソンとドリスの間の成績を残している。

 昨オフにブルージェイズと契約したときに32歳だったドリスは、1年目は基本給100万ドル+出来高、2年目は150万ドルのチーム・オプションで契約。ブルージェイズは来季の契約オプションも当然、更新。ドリスの今季の出来高は18万ドルだった。

 28歳だったジョンソンがパドレスと結んだ契約内容はドリスよりも格段に良く、1年目と2年目は基本給200万ドル、3年目は300万ドルのチーム・オプションだが、チーム側が契約を破棄する場合には100万ドルでの買い取りになるので、2年間で総額500万ドルは保証される。ここに30、35、40、45、50試合登板ごとに10万ドルずつの出来高が加算されるので、3年で最大850万ドルになる。

 2019年に阪神からもらった年俸はドリスが1億7000万円、ジョンソンが9000万円だったが、ジョンソンの方が4歳若く、日本での成績も良かったことが、2人のメジャーでの契約金額の差となった。

 32歳の沢村の今季年俸は1億5400万。ドリスとジョンソンの例を参考にすると、日本と同レベルの年俸150万ドルの2年契約が妥当な線となるが、数多くの球団が興味を示しているだけに、ここからどれだけ上積みできるか?

 今オフにFA市場に出てきているトップクラスのリリーフ投手の相場は700万ドル前後と予想されている。