ペイトリオッツのベリチック監督の愛犬はインスタ・フォロワー1.6万人超えのインフルエンサー
史上初のバーチャル・ドラフトとして開催された今年のNFLドラフトは、歴代最高のテレビ視聴者を集めて大きな注目を浴びた。
4月23日から25日(日本時間は24日から26日)の3日間に渡って行われた今年のドラフトのハイライトの1つは、2日目の2巡目でニューイングランド・ペイトリオッツがカイル・ダガーを指名したことだろう。
ダガーは無名のレノア・ライン大学出身のセーフティ。レノア・ライン大学はNCAAの2部校で、生徒数は約2700人の小規模なキリスト教系大学。NFLのドラフトで指名されたのはダガーが初めてだった。
だが、今回のドラフトで話題になったのはダガーが指名されたことではなく、その指名のされ方。
指名直前のテレビの画面は全権監督のビル・ベリチック監督宅と選手人事責任者のニック・カセリオの自宅の様子を映し出した。カセリオ家では娘たちが父親の仕事ぶりを見守っていたが、ベリチック家では愛犬がぽつんと2台のノートパソコンの前に座っていた。
そのままベリチックが画面に映ることなくペイトリオッツはダガーを指名。ネット上ではペイトリオッツは犬がドラフト指名を決めたと賑わった。
ベリッチック家で飼っているこの愛犬はアラスカン・クリー・カイの「ナイキ」。
2018年にはCNBCがベリチックとナイキの特集を組んだが、試合中は滅多に笑顔を見せないベリチックがナイキの前では常に笑みを浮かべている。
「ナイキはフットボールに興味がない。私はフットボールが好きだが、家ではフットボールを忘れて気分転換もしたい」と語るベリチックにとって、ナイキは仕事を忘れさせてくれる存在だという。
「私は犬が好きだし、全ての犬は私のことを好きなんだ」と言うベリチックは「ジャック」と名付けたかったそうだが、娘の一言でナイキと命名。ベリチックのトレードマークでもあるフード付きのパーカーをナイキが着て外出することもある。
「パソコンの近くに餌が置いてあって、ナイキは食べていいと言われるのをじっと待っていた。ビルが席を離れたタイミングで、家の様子が映し出されたので、ナイキがパソコンの前に座っていた」とベリチックの彼女のリンダ・ホリディはドラフトの裏側を打ち明ける。
ナイキはインスタグラムのアカウントを持っており、ドラフト前には1000人程度だったフォロワーがドラフト後には1万6000人までフォロワーが急増してインフルエンサー犬となった。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「ベリチックの愛犬をペイトリオッツのコーチにして」との記事を掲載。全米中の主要メディアが特集記事を組むほどにナイキは注目を浴びている。
ドラフトで新人を指名したナイキの次の仕事は、NFLの試合でプレーコールを出すことになるのだろうか?