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大谷翔平、100マイルの豪腕若手投手から二塁打を放つ。速球の打率は3割超だが変化球に苦戦

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
レンジャース戦の1回裏に二塁打を放つエンゼルスの大谷翔平(三尾圭撮影)

 8月28日(日本時間29日)のレンジャース戦に3番指名打者で先発出場したエンゼルスの大谷翔平は、初回の第1打席に100マイルの豪速球を投げる若手投手から二塁打を放ったが、残りの3打席は凡退に倒れた。試合は0対3でエンゼルスが敗れた。

 レンジャースの先発は21歳のエマニュエル・クラッセ。100マイルを超える豪速球を武器にする若手投手で、将来のクローザー候補と期待される有望株で、この試合ではオープナーとして1イニング限定で先発のマウンドに上がった。

 クラッセの速球は最速102マイル(164.1キロ)で、メジャーリーグのスカウティングレポートでは速球の評点が80点満点中80点と非常に高い評価を受けている。今季の4シームの平均球速はメジャー全体で3位にランクする99.1マイル(159.5キロ)で、カッターの平均球速はメジャー最速の99.0マイル(159.3キロ)を誇る。

 粗削りな部分が残るクラッセは、2番打者のデビッド・フレッチャーに四球を与え、1死走者1塁で大谷を打席に迎えた。

 大谷への初球、クラッセは99.8マイル(160.6キロ)のカット気味に変化する速球を投じたが、大谷がバットを強振するとボールは左中間の深い部分まで飛んでいく二塁打となった。

レンジャース戦の1回裏、160キロの速球を弾き返して二塁打を放つエンゼルスの大谷翔平(三尾圭撮影)
レンジャース戦の1回裏、160キロの速球を弾き返して二塁打を放つエンゼルスの大谷翔平(三尾圭撮影)

 次打者のジャスティン・アップトンも四球を選んで1死満塁のチャンスで打席に立ったのは、前日の試合で殊勲打を放ったコール・カルフーン。2日続いての適時打を期待されたが、一塁ゴロのダブルプレーに倒れて好機を生かせなかった。

 ここで得点できなかったことが最後まで響き、エンゼルスは0対3で零封負けを喫した。

 メジャー屈指の若手速球派投手を返り討ちにした大谷は、今季の速球系(フォーシーム、ツーシーム、カットボール、シンカー)に対する打率が.333、長打率.605と速球への強さが目立っている。対照的に変化球系(スライダー、カーブ、ナックル他)は打率.273、長打率.495で、オフスピード系(チェンジアップ、フォークボール、スプリッター、スクリューボール)は打率.235、長打率.279と苦戦している。

 この試合でも2打席目はチェンジアップを打ち上げてセンターフライ、3打席目はチェンジアップにバットを折られた後、カーブを空振り三振、4打席目もチェンジアップを一塁ゴロと凡打に終わった3打席は全て速球系以外のボールに仕留められた。

レンジャース戦6回裏の第3打席、チェンジアップにタイミングを狂わされてバットを折られるエンゼルスの大谷翔平(三尾圭撮影)
レンジャース戦6回裏の第3打席、チェンジアップにタイミングを狂わされてバットを折られるエンゼルスの大谷翔平(三尾圭撮影)
スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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