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八村塁はドラフト全体で何番目に指名されるのか?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
今夏のドラフトで1巡目指名が確実視されているゴンザガ大学の八村塁(三尾圭撮影)

 今夏のNBAドラフトに向けてアーリーエントリーを宣言したゴンザガ大学の八村塁。

 ドラフトの1巡目指名は確実視されているが、果たして全体で何番目に指名されるのか?

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 そのシーズンの順位に関係なく、全12球団が一斉に1巡目獲得希望選手を発表して、重複した場合には抽選で獲得権が決まる日本のプロ野球とは異なり、NBAのドラフトは成績下位球団から順に指名していくウェーバ制を採用。ただし、ドラフト指名権を狙って、意図的に成績を落とす通称「タンキング」を阻止するため、実際には下位球団ほど確率が高くなるロッタリー制で指名順位を決めていく。

 今ドラフトからロッタリーの確率が修正され、リーグで最も勝率の低かった3チーム(ニューヨーク・ニックス、クリーブランド・キャバリアーズ、フェニックス・サンズ)は、それぞれ14%の確率で全体1位指名権を手にできる。また、最下位だったニックスは全体5位指名以内が保証されている。

 ロッタリーに参加資格を持つのは、プレーオフへの出場権を逃した14チーム。この14チームの中では最も勝ち星の多かったサクラメント・キングス、マイアミ・ヒート、シャーロット・ホーネッツの3球団が全体1位指名権を獲得できる確率は、それぞれ1%しかない。

 プレーオフを逃した14球団は、全体14位までの指名権が保証されることから、上位14位までの指名権を「ロッタリー・ピック」と呼ぶ。

 今年のロッタリーは5月14日に行われ、そこでドラフトの指名順位が決まる。

 現時点ではドラフト指名順位は決まっていないが、各メディアでは「モック・ドラフト」と呼ばれるドラフト指名予想が活発に行われている。

 今回はそんなモック・ドラフトを見ながら、八村のドラフト順位を予想してみたい。

NBA Draft.net

 NBAドラフトの専門サイトであるNBA Draft.netは、八村が1年生のときから1巡目指名を予想していたほどに八村を高く評価している。

 4月4日時点での予想では、デューク大学の怪物1年生、ザイオン・ウィリアムズ、マレー州立大学んも2年生司令塔、ジャー・モラント、デューク大学でウィリアムズとスーパー1年生コンビを結成したRJ・バレットに次ぐ、全体4位で八村の名前を挙げている。

The Sporting News

 1886年に創刊された老舗のスポーティング・ニュースは八村を全体11位指名と予想。(順位予想は4月6日時点)

USA Today

 全米唯一の全国紙、USAトゥディの電子版は、ドラフトで13番目に八村の名前が呼ばれると予想。他の媒体とは異なり、USAトゥディもモック・ドラフトは各チームの必要性を考慮せずに、ドラフト候補生の能力だけで判断している。(4月10時点)

SI.com

 300万部の発行部数を誇るスポーツ専門週刊誌『スポーツ・イラストレイテッド』の電子版は、八村をロッタリー・ピックぎりぎりの全体14位と予想。指名される側の選手にとっては、ロッタリー・ピックの14位と、ロッタリー・ピックではない15位では気持ち的に大きく違ってくる。(4月9日時点)

CBS Sports

 マーチ・マッドネスを放映したCBSは、ゴンザガ大学の3年生が全体11番目に指名されると予想。だが、その選手の名前は八村塁ではなくブランドン・クラーク。八村は全体18位と予想している。(4月14日時点)

NBC Sports

 大手テレビ局のNBCの電子版は八村をロッタリー・ピックから外して、1巡目全体22位と予想。「歴代のアジア人バスケットボール選手として、ヤオ・ミンに次いで世界で2番目に有名になれる可能性を秘めており、NBAでプレーできる準備も整っている」と評価は高い。(4月11日時点)

 上記6媒体の予想では最高4位、最低22位と幅があるが、1巡目指名されるのは全媒体の共通した認識だ。

 現時点での予想だと全体15位前後になりそうで、ロッタリー・ピックで指名されるチャンスも小さくない。

 

 ドラフト候補の69選手は、5月15から19日にシカゴで行われる「ドラフト・コンバイン」に招待されるが、毎年このコンバインでのパフォーマンスで候補生の株が大きく上下する。

 このコンバインにはNBA全30球団のGMやスカウト、コーチ陣が集まり、候補選手の能力を自分たちの目で確かめる。体力測定に始まり、身体能力のテスト、シューティング・ドリル、5対5のゲームなどを行う他に、面談で内面も判断される。

 八村が5月のドラフト・コンバインで良い結果を残せれば、全体10位以内の評価を得ることも十分に考えられる。

 

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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