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天心の注目のデビュー戦 相手は危険な拳を持つ与那覇勇気

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供 FUKUDA NAOKI

キックボクシングの神童・那須川天心(24=帝拳)のデビュー戦が発表された。スーパーバンタム級6回戦で、対戦相手は日本バンタム級4位の与那覇勇気(32=真正)。4月8日に東京・有明アリーナで開催される。

試合の記者会見

頭を銀髪に染め、堂々と会場に登場した天心。

会見では、以前から口にしていた“那須川天心の第2章”にボクシングを選んだ理由を聞かれると「僕の人生は挑戦しかないので。ずっとチャンピオンでいるのは好きじゃないですし、ボクシングも昔から観ていた競技なので、飛び込んで、自分の可能性をどこまで信じられるかを体現して、みんなに見てもらいたい気持ちがあります」と答えた。

天心はキックボクサーとして、47戦47勝(32KO)の戦績を収めた。一度はトップまで上り詰めたが、本人も話していたようにボクシングではまた一からの挑戦となる。

昨年6月から本格的なボクシングのトレーニングを始め、「(キックボクシングとボクシングでは)距離感とラウンド数が違う。体の使い方、短距離が長距離になる。全く違うスポーツで奥が深い」と話している。

蹴りが使えるキックボクシングでは、その分攻撃のバリエーションが増えるためKOが生まれやすい。しかし、ボクシングではパンチのみの攻撃となり、相手のディフェンスも変わるため、以前に比べてKOが難しくなるだろう。

試合時間もキックボクシングは3分3ラウンドが主流だが、ボクシングでは最長12ラウンドだ。体力はもちろん、戦略も変わってくるため慣れるまで時間がかかるだろう。しかし、この辺りは経験を積めば問題はない。

ボクシングは、格闘技の中でもパンチしか使えないシンプルな競技だ。だからこそパンチのバリエーションを増やしていく必要がある。

過去にエキシビションなどでボクシングを見せてくれた天心だが、本格的にボクシングに転向し、どの様なスタイルに変貌を遂げるのか楽しみだ。

対戦相手の与那覇勇気

天心のデビュー戦の対戦者となる与那覇勇気は、プロ戦績17戦12勝(8KO)4敗1分で、日本ランキング4位のボクサーだ。

会見で今回の対戦について聞かれると「試合が決まってめちゃくちゃ興奮した。何者でもなかった俺が超大物を食う」と意気込みを語った。天心のデビュー戦の相手に抜擢されたとあって注目度もこれまでの比ではない。試合へのモチベーションも高いようだ。

与那覇はアマチュアでの経験が豊富で、プロでは元日本ランキング2位の実績を持っている。変則的な右構えのスタイルで、ノーガードからいきなり強打を振り回すなど捉えにくいスタイルの選手だ。

昨年10月には、日本タイトルの挑戦権を懸け、日本ランキング1位の南出仁と戦い敗れた。しかし、強打で南出を追い詰めるシーンもあった。

天心戦に向けても「俺は甘くないよ。自分のパンチは空振りでも会場がどよめく。当たれば一撃で決まる。危険な拳。全力で殴り倒しに行こうと思っている」とKO勝利を宣言した。

デビュー戦としては手強い相手になるだろう。しかし、いきなり日本上位のランカーとの対戦が決まるのも期待の高さの証明だ。

順調に勝利すればランク入りも期待できる。そうすれば次戦で日本タイトルも見えてくるだろう。天心の所属する帝拳ジムは「年内で何かしらのタイトルを狙わせる」とコメントしている。

キックボクシング時代には長きに渡り王者として君臨し続けた天心。競技は違えど、大舞台で勝利し続けてきた経験は大きい。

第2章となるボクシングで、どこまで上り詰めるのだろうか。まずはデビュー戦でどのようなボクシングを見せてくれるのか、注目したい。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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