年末に予定されていたボクシングミドル級の統一戦。

WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(35=帝拳)とIBFミドル級王者のゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)の試合は、新たな変異ウイルス、オミクロン株の影響を踏まえ、延期することが発表された。

日本ボクシング史上最大規模のビッグマッチ

この試合は、日本ボクシング史上最大規模のビッグマッチとして注目を浴びていた。

村田の対戦相手ゴロフキンは、世界的なスター選手だ。

アマチュア時代にはアテネ五輪で銀メダルを獲得した実績もあり、2006年にプロデビューを果たしてからは、強打を武器に世界戦を含め23試合連続KO勝利を収めている。

2010年にWBA世界ミドル級王座を獲得し、19回の連続防衛記録を打ち立てた。

ボクシングの本場アメリカでも人気のボクサーで、名前の頭文字をとったニックネーム、GGG(トリプルジー)の愛称で親しまれている。プロキャリアは、実に15年、年齢も39歳となるが未だ世界のトップに君臨している。

そんなスター選手の来日に、発表された当初はボクシング関係者の間でも驚きの声が上がっていた。

コロナの影響

11月30日、オミクロン株の影響で全世界からの外国人の新規入国が原則停止となった。

これにより12月3日、村田が所属する帝拳ジムから「感染対策強化を優先させ、延期することを決定します」との発表があった。

突然の延期に、誰よりも残念なのは村田だろう。試合の1ヶ月前は選手の調整がピークを迎える時期だ。

試合と同じ12ラウンドのスパーリングをこなし、実践練習は最終段階を迎える。そこから徐々に練習量を減らし、減量しながら試合に向けて備えていく。

帝拳ジムのホームページでも「1週間悔いなくトレーニング出来ました。今日もスパーリングで、昨日より良くなっていると思います。あと1ヶ月、しっかり頑張ります!」と好調だっただけに残念だ。

両者のコメント

ボクシングの場合、試合までの調整が他競技に比べて非常に難しい。

試合数が少ないのもその証拠だ。世界戦ともなると、リングに立てるのは1年でも多くて3回くらいだろう。

減量はもちろん、12ラウンドの長丁場を戦い抜くためのトレーニングや試合に向けてのスパーリングなど、最低でも2ヶ月から3ヶ月は準備期間が必要になる。

村田もようやく2年ぶりの試合が決まり、リングまであと1ヶ月を切った段階だった。

ボクサーはそれほど多く試合ができない。村田も2013年にデビューしてから、これまでの試合数は18戦だ。貴重な一戦が遠のくのは悔やまれる。

村田は自身のインスタグラムで、コメントを出している。

村田諒太 instagram参照
村田諒太 instagram参照

悔しさもあるだろうが、前向きなコメントをしている。また、ゴロフキンも自身のSNSでコメントを出している。

「日本での戦いが延期されたことに深く失望していますが、公衆の健康と安全は常に優先されなければなりません。できるだけ早く諒太戦のリングに戻るのを楽しみにしています」

試合が中止ではなく、延期となったのがせめてもの救いだろう。

試合が決まった時、村田は会見で「プロに来て8年。追い求めた舞台をこうやって用意してもらえたことを幸せに思う。ゴロフキンはずっとみてきた選手なので拳を交えるのが楽しみ」と話していた。

村田はもちろん、多くのボクサーや関係者、ファンも心待ちにしている試合だ。

帝拳ジムのホームページには「試合延期は残念ですが、気持ちの問題だけで練習を休む訳にはいかないので、頑張っています。ボクシングは相変わらず良い感じです。吉報を待ちながら磨き上げてまいります!」とコメントがあった。

気持ちを切り替えてぜひ前向きに進んでいってほしい。

持ち越しとなったが、来年の春の実現に期待したい。