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KO率100%ボクサー比嘉大吾 階級を上げてスタイルも進化「理想はマイクタイソン」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供 FUKUDA NAOKI

10月26日、元WBCフライ級チャンピオンの比嘉大吾(25=Ambition GYM)の復帰第2戦が後楽園ホールで開催される。

相手は日本バンタム級13位の堤聖也(24=角海老宝石)、バンタム級10回戦で行われる。

比嘉は前回の2月の試合から8ヶ月ぶりの試合となる。

心機一転

比嘉は前回の試合後、所属していた白井・具志堅ジムを移籍し井岡一翔も所属するAmbition GYMに移籍した。

4月から横浜に拠点を移し、敬愛する野木丈司トレーナーの指導を受けている。

私は6月に比嘉のもとを訪れたが、想像以上にハードなトレーニングをこなしていた。

公園で午前中に走り込みトレーニングをこなし、午後はジムワーク。同門で比嘉の同郷の大湾琉人と共にマスボクシンから始まりミット打ち、ダッシュなどのトレーニングをみっちりこなす。

負荷とバランス強化のために坂道の傾斜を利用したマスやミット打ちも行い、足腰の強化に努めていた。

比嘉は「課題もたくさんありますが、野木さんに与えられているメニューをしっかりこなしていきます」と話していた。

「トレーニングは吐くほどきつい」と話していたが、充実しているようだった。

前回の2年ぶりの復帰戦を「勝っても負けてもいいと思っていた試合」と話していたが、環境が変わり、やる気も戻ってきた様子で安心した。

著者撮影
著者撮影

理想はマイクタイソン

比嘉はフライ級から2階級上げて、バンタム級に向けての体作りをこなしていた。

師匠である野木トレーナーは「集中して屋外で合宿のようなトレーニングを実施している。スタミナもだいぶ戻ってきている」と話していた。

階級を上げたことで必要になってくるのは、パンチ力とフィジカルの強化だろう。

これまで比嘉は16勝のうち全てをKOで勝利している。しかし、フライ級とバンタム級では戦い方も大きく変わってくる。

減量は楽になるだろうが、相手のパワーや体格も増すのでバンタム級仕様に向けての体づくりも必要になってくる。

主に基礎体力強化を課題として取り組んできた。

これまでのパンチをまとめての連打型から、一発で試合を決める瞬発力を強化している。

練習でも、特注のドラム型ミットに力強く一発を強く打ち込む練習をし、パンチ力を強化をしていた。

理想は、元世界3団体ヘビー級統一王者のマイク・タイソン(アメリカ)。一撃で試合を決めるタイソンのようなスタイルを目指している。

そのためにも、全身でパンチを打つクイックネスな動きを意識してトレーニングしています、と話していた。

比嘉は163cmと背は低いが、骨格は大きい。野木氏も「腕回りや胸囲はフェザー級並みのフレーム」と話していた。

これから試合に向けてスパーリングをこなし、実践感覚を養っていく。

アマ時代のライバルと対戦

今回の比嘉の相手は、日本ランカーの堤聖也だ。

大学を出てからプロ入りし、これまで5勝4KO1分と戦績は少ないが、決して侮れない相手だ。

アマ仕込みのテクニックに加え、左でも右でも戦える器用さを持つ。

高校時代には比嘉と2度対戦し、堤が2勝している。アマとプロではルールが違うが、手合わせした経験がアドバンテージとなるだろう。

堤からしたら比嘉に勝利すれば一気に注目度も上がり世界ランクも手にできる。この試合へのモチベーションも高いはずだ。

比嘉陣営は来年の世界挑戦を目指しているが、この階級でどこまで戦えるか目安になるだろう。

バンタム級は井上尚弥(27=大橋)を頂点に強豪がひしめき合っている。そこに比嘉が加わることで、さらに盛り上がることだろう。

比嘉も井上を意識しているようで「バンタム級のトップは井上尚弥さん。同じバンタム級だったら、いつかは戦わなければいけない」と話していた。

比嘉の復帰で盛り上がりを見せるバンタム級から目が離せない。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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