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破壊力は井上尚弥を超える!?危険なカシメロと3団体統一戦

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:ロイター/アフロ)

WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(26=大橋)がWBO世界バンタム級王者のジョンリル・カシメロ(フィリピン)と対戦する。

試合は4月25日(日本時間26日)ラスベガスで行われる。日本人初の3団体統一戦で、井上にとっても初のラスベガスでの試合となる。

初のラスベガス

待ちに待った試合が発表された。井上尚弥がボクシングの本場ラスベガスでメインイベントに出場する。

会場は最大1万2000人収容のマンダレイベイ・イベントセンター。

過去に、ボクシング界のレジェンドのマニー・パッキャオ(フィリピン)やカネロ・アルバレス(メキシコ)も試合をした会場だ。

井上は、全階級最強を決めるパウンド・フォー・パウンドランキングでも3位にランクされ、海外での評価も高い。

昨年の11月には、元5階級王者のノニト・ドネア(フィリピン)と戦い判定勝利。WBSSトーナメントで優勝を果たした。

その後、アメリカの大手ボクシングプロモーション会社のトップランク社と契約し、今回のビッグマッチが決まった。

カシメロとの試合は、井上が望む4団体統一王者に向けて大きな第一歩となるだろう。

井上も「もともと統一戦をしたいとスーパーフライ級でも思っていた。こういうマッチメイクにモチベーションを持ってやりたい」と話している。

カシメロについて

フィリピン出身のカシメロは、これまでライトフライ級、フライ級、バンタム級の3階級を制覇している。

戦績は29勝(20KO)4敗の戦績を誇り、爆発的な強打が特徴の選手だ。

前戦では元WBO世界バンタム級王者のゾラニ・テテ(南アフリカ)を相手に、カシメロが強打を爆発させ3RKOで勝利した。

かなりのハードパンチャーで、パンチ力だけなら井上を超えるかもしれないとの噂もある。

ラフファイトも得意で、踏み込みに全体重をのせて、体ごと飛び込んで来るパンチには非常に迫力がある。

軽量級ながら一撃で試合を決めるパンチを持っている侮れない相手だ。

以前、カシメロと対戦経験がある選手の関係者に話を聞いた際、

「信じられないパンチ力で、今までもらったことのない一発を持っていた」と話していた。

カシメロは井上より距離が短く「中間距離からの近距離」が強い。

対する井上は、踏み込みを活かした「長距離から中間距離」が強い。

お互いに得意な距離が違うので、自分の間合いを掴んだ方がペースを握るだろう。

双方パンチがあるので、KO必至でヒリヒリするような試合となりそうだ。

激戦のバンタム級

まだ先は早いが、井上が目指すのは4団体統一王者だ。

ボクシングは主要4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)に分かれている。

その全てのベルトを同時に巻いた選手はボクシング史上4名しかいない。

スーパーライト級 テレンス・クロフォード(アメリカ)

ミドル級 バーナード・ホプキンス(アメリカ) ジャーメイン・テイラー (アメリカ)

クルーザー級 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)

強いだけでなく、マッチメイクなどの運も重ならなければ手にできない。

しかも、軽量級では誰1人いない。

井上が4団体統一王者となれば、アジア人としては快挙となり、パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じて最強)の称号も手に入るだろう。

残るWBCのベルト保持者は、井上拓真(24=大橋)に勝利したノルディーヌ・ウバーリ(フランス)だ。

ウバーリは次戦で井上が勝利したノニト・ドネアとの対戦が決まった。

また、井上も「拓真の仇を取りたい。ウーバーリと統一戦をやりたい」と話している。

前人未到の活躍を続ける、井上の今後に注目だ。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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