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RIZINが電撃発表 パッキャオが参戦か!?

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

総合格闘技イベントRIZINのCEO榊原信行氏は、「ボクシングの6階級王者のマニー・パッキャオと新たな仕掛けを行います」とツイッターで電撃発表した。

正式な記者会見は、榊原氏が日本に帰国後に行われる予定だが、メイウェザーに続き、ボクシング界の大物マニー・パッキャオも巻き込んだ。

パッキャオの伝説的な偉業

マニー・パッキャオは、ボクシング界のスーパースター。フィリピン出身で、史上2人目の6階級制覇を成し遂げている。現役の世界王者で、日本でも試合をした経験がある。

しかも、驚くべき事に軽量級のフライ級(50.8kg)で世界王者になり、そこから9階級上のスーパーウェルター級(69.8kg)まで階級を上げて王者になった。

数々の名勝負を繰り広げ、劇的な勝利を収めている。

2015年には、5階級王者で無敗のフロイド・メイウェザーと対戦している。

その試合は世紀の一戦と呼ばれ、ひと試合で1億5千万ドル(約184億円)稼いだと言われた。(試合はパッキャオの判定負け)

パッキャオのスタイル

パッキャオのボクシングスタイルは、非常にアグレッシブだ。

左構えのサウスポースタイルから、踏み込みを活かした左ストレートで、相手をマットに沈めてきた。体ごとぶつかっていくそのパンチは、足腰の強さから生み出されていて、破壊力抜群だ。

また、軽量級から階級を上げてきたが、肉体改造によりパワーアップに成功している。

自分より体格が大きい選手と試合を重ね、不利の予想を何度も覆し、勝利を収めている。一時は連敗もあり、長らくKO勝ちから遠のいて、スランプにも陥った。

しかし、昨年の7月に世界タイトルをKO勝ちで獲得し、勢いを取り戻しつつある。今年の1月には、元4階級制覇王者エイドリアン・ブローナーに快勝し、復調を見せた。

パッキャオは、ボクシング界で影響力があり人気が高い。試合があれば、ファンが注目し、ビッグマネーが動く。

政治家と二足のわらじ

パッキャオは、2010年の選挙に当選してから、2期連続でフィリピン議会の下院議員を務め、2016年からは上院議員を務めている。

幼い頃は、路上で寝泊まりしながらトレーニングをしていた時期もあったようで、その苦労した経験から、様々な支援活動を行なっている。

フィリピンでは、爆発的な人気を誇り母国での信頼も厚い。その功績から、将来の大統領候補とも言われている。

政治家になってからも、選手として試合を続けており、2016年に一度引退を表明したが、すぐに現役復帰をしている。

最近は、政治活動の影響もあり、試合頻度は落ちてきてはいるが、リングでの戦いは続けている。

どうなるパッキャオの今後

パッキャオも昨年で40歳となった。最前戦で戦っていくのも、残り僅かとなってくるだろう。

ボクシンングで現役王者との試合をするのか、メイウェザーとの再戦か、はたまた、総合格闘家のコナー・マクレガーとの対戦の噂もある。

そのキャリアの集大成にも注目が集まる。

ネームバリューはトップクラスなので、一攫千金を求めて、対戦したい選手は多いだろう。

今回のRIZINで、どのような契約になるのか、詳細は不明だ。榊原氏からの発表が気になるところだ。

昨年末から、ボクサーの参戦が続き話題を集めているRIZINだが、賛否両論はある。

一過性のブームで終わらず、格闘技界全体が盛り上がり、ボクシング界にも良い影響になることを願う。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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