「2500円スマホ」にブラックフォン、ちなみに私のプライバシーは13円!

バルセロナで24日開幕した携帯電話見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」で2つのスマートフォンが話題になっている。激安の「25ドル・スマホ」とプライバシー保護を最も重視した「ブラックフォン」だ。

「25ドル・スマホ」構想を発表したのは米国の非営利組織、モジラ財団。筆者はデータ・ジャーナリズムのコースで勧められてから「モジラ・ファイヤーフォックス(Mozilla Firefox)」と呼ばれるウェブブラウザを使い始めたが、このブラウザはモジラ財団が開発した。

オープンソースのMozilla Firefoxは日本での普及度はまだ限られているかもしれないが、ドイツやフランス、中・東欧、アフリカ、東南アジアでは最も人気のあるブラウザだ。

「25ドル・スマホ」は、中国の半導体メーカー、展訊通信(スプレッドトラム)が開発した半導体を使ってコストを下げ、自らの基本ソフト(OS)「Firefox」を搭載。

最もベーシックな携帯電話と米アップルのiPhone、韓国サムソンのギャラクシーなど多機能携帯電話のちょうど中間ぐらいの簡易スマホといったイメージだ。

アプリが使えて、インターネットを利用できる程度の機能を備えている。狙いは先進国でiPhoneやギャラクシーは高くて手が出ないが、スマホはほしいという消費者と、途上国。

一方、「ブラックフォン」を開発したのは、米メリーランド州の暗号化企業サイレント・サークルとスペインのスタートアップ企業でスマートフォン・メーカー、ギークスフォン。24日から先行販売が始まった

元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者が持ちだした米国家安全保障局(NSA)の機密資料からNSAや英政府通信本部(GCHQ)による無制限の監視活動が次々と明らかになった。

サイバー空間には、こうした監視活動を行う国家情報機関や、個人の銀行口座やパスワードを狙う犯罪者などクラッカー(悪意の攻撃者)が氾濫している。

iPhoneやギャラクシーはスクリーンの大きさや解像度、動作の早さを競ってきたが、「ブラックフォン」は個人のプライバシー保護を最も重視しているのが特徴だ。その名の通り、本体は真っ黒。

グーグルが開発した携帯情報端末用OS、アンドロイドに特別なセキュリティ機能を施した。今後、「ダーク・メール」と呼ばれる電子メールも開発し、スマホのプライバシーを守るという。

スノーデン事件でNSAなどの国家情報機関が市民のプライバシーをのぞいているという疑念が深まった。

また、米検索サイト、グーグル(Google)やソーシャルメディアのフェイスブック(Facebook)やツィッター(Twitter)が個人データを利用している実態にも改めてスポットライトが当てられた。

スマホやタブレットの機能はパソコンに近づき、気づかないうちに銀行口座やパスワードなどさまざまな個人情報が蓄積されている。このため、スマホのセキュリティについても急激に関心が高まっている。

受信メッセージが約10秒表示された後、跡形もなく消え去る米Wickr社のアプリなど、ネット上のプライバシーを保護するビジネスが今後、成長していきそうだ。

ちなみに、英紙フィナンシャル・タイムズの電子版に自分の個人データが大体どれぐらいの値段で取引されているのかがわかる計算機があったので、試してみた。

家族構成や趣味、車や住宅の購入予定などを入力していくと、私の個人データには0.1333ドル(13円)の値段がついた。年齢、性別、位置情報だけなら1人分で0.0005ドル(5銭)だという。

この程度の値段で自分の個人データが知らないところで売買されるなら、お代を支払ってサービスを利用するから個人データは収集しないでという利用者の声も出てきそうだ。

(おわり)