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久保建英の離脱とレアル戦でゴールを決めた韓国代表MFイ・ガンインの韓国評価は?「フル出場に価値」

金明昱スポーツライター
マジョルカのイ・ガンインと久保建英(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

 スペイン1部マジョルカの日本代表MF久保建英が膝のケガでチームを離脱することになった。

 22日に行われた所属元のレアル・マドリードとの一戦に先発出場したが、右膝を痛めたこともありハーフタイムで途中交代を余儀なくされた。試合はマジョルカがレアルに1-6で大敗。

 試合に敗れ、松葉づえをつくほどのケガで10月に行われるワールドカップ(W杯)アジア最終予選2試合の招集も不可能な状況になったと報じられており、この時期の戦線離脱はかなりの痛手だ。

 一方、マジョルカで評価を上げているのが韓国代表MFイ・ガンインだ。今夏に4年契約でマジョルカに移籍したばかりで、以降に出場した2試合は途中交代だった。ただ、今回のレアル・マドリード戦では初めて先発出場し、トップ下で起用された。

 もちろん加入してから日が浅いこともあり、チーム全体の戦術理解度や前線からの守備に難点があるとはいえ、前半25分にチーム唯一の1点を決めてアピールできたことは大きい。

 それにイ・ガンインにとって、この試合がゴール以上に特別な意味を持つのが、90分間のフルタイムを消化できたという点だ。

 マジョルカに加入する前、彼はバレンシアでプレーしていた。しかし出場機会に恵まれず、フル出場は一度も果たせていなかった。

 韓国メディア「ノーカットニュース」はこう伝えている。

「マジョルカは1-6で完敗したが、イ・ガンインは1人輝きを放った。レアルの守備3人の間をドリブルで抜けていき、鋭く左足でゴールを決めた」

 さらに「結果的にイ・ガンインは90分フルタイムを消化。彼にとってはレアル・マドリード戦でのゴールと同じく、特別だったのがフル出場できたことだ。バレンシアでプレーしたラ・リーガ44試合で一度もフル出場できなかったからだ」と伝えている。

 スペインで自身の居場所をようやく見つけたかのように終始生き生きとプレーする姿が印象的だったが、結果的にはレアル・マドリードに実力差を見せつけられた形となった。

 試合後、彼は現地メディアに「手痛い敗戦でした。修正しなければならない部分がたくさんあります。次の試合で勝利できるように努力しなければなりません。レアル・マドリードは世界最高のクラブで、とても難しい相手でしたし、レベルの高い選手たちが多い。ゴールよりも大事なのは勝利。勝ち点3を得られず悔しい。次の試合には勝ちたい」と語っている。

 久保がケガでチームを離れるタイミングもあり、今後、イ・ガンインへの期待値はさらに高まるだろう。これからの活躍に期待したい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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