守護神・石山泰稚に期待される球団史上3人目の記録とは?~2021年ヤクルト注目の記録・投手編
2021年のプロ野球開幕まで、残り4週間を切った。前回は今シーズン、東京ヤクルトスワローズの打者に達成が期待される記録を紹介したが、今回は投手の記録を取り上げる。
100セーブはヤクルトでは過去に高津臣吾と林昌勇だけ
今シーズン、ヤクルトの投手に期待される記録はさほど多くない。その中で、FA権を行使せずに新たに4年契約を結んだ石山泰稚(32歳)は、球団史上でも3人目の記録に近づいている。
それが通算100セーブ。昨年の益田直也(千葉ロッテマリーンズ)、森唯人(福岡ソフトバンクホークス)を含め、NPBでは過去に34人が達成しているが、ヤクルトでは高津臣吾(現監督、通算286セーブ)と林昌勇(イム・チャンヨン、通算128セーブ)しか成し遂げていない記録である。
ドラフト1位で2013年にヤクルトに入団した石山は、2018年から本格的に抑えに転向。昨年もセ・リーグ3位の20セーブを挙げるなど、これまでに通算75セーブを積み上げている。今シーズンもシーズンを通してクローザーとして起用されれば、“大台”到達に必要な25セーブは十分に稼げるはずだ。
石川雅規は球団5人目の500試合登板まで「13」
今季で20年目のシーズンを迎える石川雅規は、2つのマイルストーンを視野に入れている。まずはNPBでこれまで102人が達成している通算500試合登板。昨季までの通算登板数は球団歴代6位の487試合で、今季5試合に登板すれば松岡健一(現ヤクルト二軍投手コーチ)を抜いて単独5位に浮上し、13試合登板で球団史上5人目の通算500試合に到達する。
1月で41歳になったとはいえ、石川はこれまで大きな故障もなく、コロナ禍によりシーズンが120試合に短縮された昨シーズンも15試合に先発している。今季中の達成は大いに期待されるところだ。
さらに石川は、プロ野球史上でも過去に27人しか達成していない通算3000投球回にも、あと129イニングまで近づいている。これは球団史上では国鉄時代の大エース、金田正一(4920回)と、初優勝時のエースである松岡弘(3240回)だけが到達している記録である。
ただし、石川が年間129イニング以上投げたのは、自己最多タイの13勝を挙げてリーグ優勝に大きく貢献した2015年が最後。シーズンを通してある程度、コンスタントにイニングを“食える”かどうかがカギとなる。
小川泰弘に期待されるのは球団7人目の1000奪三振
昨年オフに一度はFA権を行使しながら、4年契約で残留の道を選んだ小川泰弘(30歳)にも、今季の達成が期待される記録がある。それがプロ野球史上151人、球団では6人が達成している通算1000奪三振だ。
小川の通算奪三振は昨季終了時点で903であり、あと「97」でこの記録に到達する。プロ入りからの8年間で、前年に受けた右ヒジ疲労骨折の手術の影響で出遅れた2018年と、シーズンが短縮された昨年を除けば、奪三振は毎年「100」を超えているだけに、今年も開幕からキッチリとローテーションを守りさえすれば、記録は自ずとついてきそうだ。
なお、小川は昨季まで通算75勝で、こちらは球団歴代12位。今シーズンも昨季と同じ10勝を挙げると梶間健一、館山昌平(現東北楽天ゴールデンイーグルス二軍投手コーチ)と並んでトップテン入り。さらに勝ち星を13まで伸ばせば、通算88勝となって9位の伊東昭光(現ヤクルト編成部長)を抜き、川崎憲次郎と並んで8位に躍り出る。