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元ヤクルトのロマン、今秋のプレミア12出場へ! 来年の東京五輪にも意欲

菊田康彦フリーランスライター
投球するロマン(Photo courtesy of Orlando Roman)

 2015年まで投手として東京ヤクルトスワローズでプレーしたオーランド・ロマン(40歳)が、この秋に開催される野球の国際大会「WBSCプレミア12」に出場する意思を表明した。この大会は来年行われる東京五輪の予選も兼ねており、ロマンは初の五輪出場にも意欲を見せている。

パンアメリカン大会でプエルトリコの初優勝に貢献

 昨冬の故郷プエルトリコでのウインターリーグ参戦を最後に、現役引退の可能性を示唆していたロマンだが、7月下旬から8月初旬にかけてペルーのリマで行われたパンアメリカン競技大会にプエルトリコ代表として出場。カナダとの決勝戦では、3点リードの7回に4番手として登板して3者凡退に抑えるなど、大会初優勝に貢献した。

 プエルトリコは11月に開催されるプレミア12にも参加する予定で、ロマンも「今はプレミア12に向けて、毎日トレーニングをしている」と出場の意志を表明。オープニングラウンド(1次ラウンド)では、台湾で行われるグループBで日本と同組になるため「古い友人たちと会うのが楽しみ」と話している。なお、オープニングラウンドで2位以内に入れば、続くスーパーラウンド(2次ラウンド)は東京ドームとZOZOマリンスタジアムが舞台となる。

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の主催により、世界野球ランキング上位12カ国・地域が参加するこの大会は4年に1度開催されるもので、2015年に続いて今回で2回目。今年は東京五輪の予選も兼ねており、アジア・オセアニアの最上位国(開催国の日本を除く)と、北中南米の最上位国が出場権を獲得する。

「五輪に出られるなら素晴らしいこと」

 現在は代表チームで現役を続けるかたわら、アマチュアリーグでコーチもしているというロマン。「プレミア12の後はもう一度ウインターリーグに出て、それが(現役)最後になるだろう」といいながらも、「もし五輪に出られるなら素晴らしいこと。出場権が得られたら、引退も先延ばしだよ」と、来夏の東京五輪への出場にも意欲を見せている。東京五輪の野球出場枠は「6」で、仮にプレミア12で出場権を逃しても、来年に行われる予定のアメリカ大陸予選、最終予選のいずれかで1位になれば、出場権が与えられる。

 ロマンはマイナーリーグ、台湾プロ野球を経て、2012年にヤクルトに入団。チームが14年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした2015年は主に中継ぎとして23ホールドをマークするなど、4年間で133試合に登板して18勝22敗、6セーブ、27ホールド、防御率3.00の通算成績を残した。

 古巣のヤクルトに関しては「今年は苦しいシーズンのようだね」と今も気にかけており、「引退後はスワローズの外国人担当スカウトをしたい」と話すなど、退団から4年近くが経ってもその“スワローズ愛”は変わることがない。

フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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