来週、3月7日に幕を開ける2017年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。東京ヤクルトスワローズからは、日本代表として山田哲人と秋吉亮、そしてオランダ代表としてウラディミール・バレンティンの計3名が出場する。

さらに、かつては「ミスター・スワローズ」と呼ばれた青木宣親(MLBアストロズ)が、2大会ぶりに日本代表に復帰。2015年にヤクルトの14年ぶりセ・リーグ制覇に貢献したオーランド・ロマンは、プエルトリコ代表としてこれで4大会連続の出場となるのは、これまでにもお伝えしたとおりだ。

「年俸360万」のデニングは豪州の本戦進出に貢献

その他の出場各国にも、スワローズのOBがいる。まだ記憶に新しいところでは、2015年のシーズン途中でBCリーグの新潟アルビレックスから入団し、しばしば勝負強い打撃を見せたミッチ・デニング(28歳)。契約期間内の年俸が360万円という「格安助っ人」として話題になったそのデニングも、2009、13年に続いて3大会連続でオーストラリア代表として出場する。

オーストラリアは2006年の第1回大会からWBCに参加しているが、前回は1次ラウンドB組で最下位の4位に終わっており、今大会は予選参加を余儀なくされていた。昨年2月にシドニーで開催されたその予選、デニングは全3試合に三番もしくは四番・センターで出場。南アフリカとの本選出場決定戦では7回に決勝タイムリーを放つなど、本選進出に貢献している。

カナダ代表で出場するクリス・ラルー(32歳)も、2013年にヤクルトでプレーした経験がある。もっとも成績はといえば、5試合に先発して0勝2敗、防御率9.00。来日初登板となった6月2日の千葉ロッテマリーンズ戦(QVCマリン)でいきなり1試合3暴投のセ・リーグタイ記録を作るなど、戦力にはならなかった。

ラルーはヤクルト退団後、2014年にヤンキースでメジャー復帰を果たしたものの、その後はマイナーで数球団を渡り歩いている。2015年のWBSCプレミア12にもカナダ代表で出場し、1次ラウンドでは2勝0敗。大会の最高勝率投手として表彰された。

2008年から5年間ヤクルトに在籍し、球団史上2位の通算128セーブを挙げた林昌勇(韓国・起亜、40歳)は、韓国代表メンバーに名を連ねている。決勝戦でイチロー(現MLBマーリンズ)に決勝打を浴びた2009年以来のWBC復帰となるが、2月にはキャンプ地の沖縄で、自動車を運転中に事故を起こしたと伝えられた。

「恐怖の八番」ミューレンスは2大会連続のオランダ監督

オランダ代表監督として出場するのは、「ミューレン」の登録名でロッテ、ヤクルトでプレーしたヘンスリー・ミューレンス(MLBジャイアンツ打撃コーチ、49歳)。ロッテからヤクルトに移籍した1995年は主に八番で29本塁打をマークし、「恐怖の八番」と呼ばれた。オリックス・ブルーウェーブとの日本シリーズ第3戦では、9回裏に起死回生の同点アーチを放つなど、ヤクルトの日本一返り咲きにも大きな役割を果たした。

「(オランダ領)キュラソー生まれで、メジャーでプレーしたのは僕が最初。それだけじゃない、日本でもカナダ(モントリオール・エクスポズ)でも韓国(SKワイバーンズ)でも、キュラソー出身者では僕が初めてのプレーヤーだったんだ」

ミューレンスは以前、そう話してくれたことがあるが、生まれ故郷のキュラソーでは野球界のパイオニア的存在として扱われている。2013年のWBC、2015年のプレミア12でもオランダ代表を指揮し、昨年11月にも侍ジャパンとの強化試合のために来日しており、代表監督としてもすっかりおなじみだろう。

そしてもう1人。これは蛇足かもしれないが、侍ジャパンの打撃コーチを務める稲葉篤紀コーチも、FAで北海道日本ハムファイターズに移籍するまでにヤクルトで3度の日本一を経験した“元燕戦士”である。