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MLB初の4000万ドル超え!シャーザーが今後3年間で受け取る年俸額は何と5800万ドルという事実

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
大型契約でメッツ入りが報じられたマックス・シャーザー投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【シャーザー投手がメッツへ】

 遂にMLBが選手の年俸額で新たな時代に突入した。

 現行の労働協約が期限切れを迎える現地時間の12月2日から、MLBがロックアウトを実施されることが予想される中、FA市場は駆け込みの契約ラッシュが続いている。

 そうした状況下で11月29日に米メディアが報じたところでは、大物FA選手の1人だったマックス・シャーザー投手が、メッツと契約合意したと報じている。

 契約内容は3年契約で、総額1億3000万ドル(約148億円)とされ、平均年俸は4333万ドル(約49億円)に上り、平均年俸が4000万ドル(約45億円)を突破するのはMLB史上初となった。

【ドジャース、エンジェルスは対抗できず】

 スポーツ専門サイトの『the Score』ではシャーザー投手関連の米報道を総合的にまとめて速報記事を公開しているが、それによると、シャーザー投手の獲得を目指し、ドジャースやエンジェルス、ジャイアンツが参戦していたようだが、メッツの契約内容に対抗することはできなかったようだ。

 それもそのはずだ。これまで平均年俸でMLB史上最高額は、2019年オフにヤンキースと合意したゲリット・コール投手の3600万ドル(約41億円)だった。

 ちなみに日本では度々MLBの最高額契約選手としてマイク・トラウト選手が紹介されているが、確かに契約総額は4億2650万ドル(約486億円)で史上最高額だが、平均年俸は3554万ドル(約40億円)に止まっている。

 今回の契約は、コール投手を700万ドル(約8億円)以上上回っているのだから、これまでのMLBの常識をはるかに越えているものだったことが理解できるだろう。さすがに他チームが太刀打ちできるような額ではなかったといえるだろう。

 MLBの他にNFL、NBA、NHLを加えた米国の4大プロスポーツの中で、NFLとNBAはすでに年俸4000万ドルを突破した選手が誕生しているが、遂にMLBもその仲間に加わることになった。

【シャーザー投手の実質年俸は66億円超え!】

 さらに驚かされるのが、今後3年間でシャーザー投手が受け取る実質年俸額だ。

 前述の記事によると、シャーザー投手はナショナルズと結んだ前契約で未払い分があり、それが2028年まで毎年1500万ドル(約17億円)支払われることになっているようだ。つまりシャーザー投手は今後3年間、合計5833万ドル(約66億円)の年俸を受け取ることになるわけだ。

 ちなみに『BETMGM』が公開している2021年のMLB各チームの年俸総額によれば、シャーザー投手の総額5833万ドルは、25位だったマリナーズの5723.5万ドル(約65億円)をも上回っている。

【将来は大谷翔平選手も仲間入り?!】

 あくまでMLBと選手会が合意することになる新しい労働協約の内容次第だが、今回のシャーザー投手の契約により、今後はMLBでも平均年俸で4000万ドルを超える大型契約が誕生する可能性が出てきた。

 仮に大谷翔平選手が来シーズンも今シーズンのような活躍をするようなら、もちろん大谷選手もその仲間入りをすることになるだろう。

 大谷選手ファンにとって、新たな楽しみが増えたのではないだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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